ブックタイトルアクティブラーニングのABC

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概要

アクティブラーニングのABC

する個別の知識や技能,2「知っていること・できることをどう使うか」にかかわる問題発見や協働的問題解決に必要な思考力・判断力・表現力,3「どのように社会・世界とかかわり,よりよい人生を送るか」にかかわる学びに向かう力や「メタ認知」,多様性を尊重する態度と互いのよさを生かして協働する力,持続可能な社会づくりに向けた態度,リーダーシップやチームワーク,などに整理している。これまでは,改訂のたびに諸団体や研究者等から,「生きる力」や「基礎的・汎用的能力」,「人間力」,「学士力」,「成人力」,「キー・コンピテンシー」,「21世紀型スキル」など,実に多様な資質・能力(これまでは学力と呼ばれることが多かったが,本稿では資質・能力を使用する)が提示されてきた。義務教育,高等教育,社会人と求められる資質・能力が異なっていた感がある。大変な無駄である。実は整理してみると,共通性が高いのは,「問題解決力」と「対人関係形成力・協調性・コミュニケーション力」,「自律性・主体性」である。ほぼ全ての資質・能力観に含まれる。次代を生き抜く子どもたちに国内を問わず共通に求められるのは「様々な課題に対して決してひるむことなく,既有の知識や技能を活用して,仲間と協力しながら主体的かつ協同的に問題解決を図っていく力」である。平成28年3月時点において,次期学習指導要領改訂に向け,各教科等別及び学校園種別の部会,ワーキンググループが動いているが,どの部会,グループでも,教育課程企画特別部会が示した育成すべき資質・能力の三つの柱を踏まえて作業が進んでいる。幼児から社会人に至るまで共通の資質・能力観で教育改革が展開していくことは極めて喜ばしいことである。この資質・能力育成の切り札が「アクティブ・ラーニング」である。企画特別部会では「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び」と意味付けているが,まさしくこれまで提示されてきた様々な資質・能力の共通項と重なる。学習の方法や形態の改善に留まらず,考え方や生き方にかかわるものであることがわかる。今次改訂は,タテに打ち抜かれた幼児から社会人に至る資質・能力とその育成にかかわるアクティブ・ラーニングの二本柱をしっかり結び付けるものとして,「社会に開かれた教育課程」の強固な梁がヨコに張っている。この柱と梁を結び付けるのが「カリキュラム・マネジメント」である。地域に開かれた学校として家庭や地域と連携・協力を図りつつ,日々の授業でアクティブ・ラーニングを実現し,未来を築き地域を担う資質・能力を育んでいくために,子どもや地域の実態を踏まえ限られた資源を最大限に生かし,効果的な教育活動を計画・実施していくカリキュラム・マネジメントの充実が求められているのである。できることから少しずつ関連付けながら構築していきたい。第4章さらなる充実のために●31