ブックタイトル子どもとつくる図工の時間
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子どもとつくる図工の時間
9Chapter 2 ● 授業をかんがえるべている四年生の子どもたちがいました。そのうちに、花びらも見つけて浮かべ始めました。最初は息を吹きかけて動かそうとしていましたが、途中から木の枝を使って水に動きをつくり、流れていく様子や回転する様子を楽しんでいました。 二年生の教室をのぞいてみると、二人の男の子が、自分たちの筆箱や教室にある本などを、机の上に重ねたり傾けたりしていました。そのうちに、近くにいた男の子が机をつなげて加わり、なかなか立派なすべり台をつくって鉛筆や消しゴムを転がし始めました。どこまで転がると勝ちだとか、赤鉛筆だったらどうだとか言って、自分たちでルールを考えていました。 休み時間のもたらす自由で主体的な子どもの「遊び」の中に、私たちが授業をつくったり考えたりするためのヒントがたくさん隠れています。遊びから題材へ 子どもの何気ない遊びを授業に取り入れていくことは、教師にとって大きな醍醐味といえます。 私の場合、前述の遊びをヒントに、四年生で「色と形のプール」という授業を考えました。大きなバットやタライにためた水に、自分たちで形や色を集めて、浮かべたり動かしたりして、流れや感じの変化を味わう題材です。子どもたちは、底に映った影を見つけたり、ためた水に色をつけたりして、次々に新しいアイデアを思いついてためしていました。 また、二年生では、紙筒などを使って転がるキャラクターをつくり、キャラクターが楽しく遊べるすべり台をつくる「ころころパチン!」という授業をしました。ジャンプ台をつくったり、転がる先に障害物や的、落とし穴をつくったりして、友だちと関わりながら、活動の幅を自分たちでどんどん広げていっていました。子どもの力を借りて 私たちは、授業を通して子どもたちの資質・能力を育みます。しかし、日頃の遊びの姿からも分かるように、子どもたちはすでに「見る」「触る」「思いつく」「考える」などの多様な力を自然に働かせています。 そんな子どもたちの力をどんどん借りて授業づくりができたら、授業は子どもたちのものになるはずです。その手がかりを得るために、私は「休み時間の子どもたち」に会いに行くことから始めています。