ブックタイトル子どもとつくる図工の時間

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概要

子どもとつくる図工の時間

17Chapter 3 ● 授業をおこなう使う用具とそれぞれの使い方については最初に伝えます。そのあと、どの用具をどのように使うか、絵の具の色や形からどのようなイメージをもつかは、子ども一人一人に委ねます。題材のめあてに立ち返り、「最初に伝えるべきこと」「子どもに任せること」のボーダーラインを先生がしっかりと認識しておくことが大切です。イメージを膨らませる手助け 子どものイメージを膨らませるための手立ては様々です。触覚を大切にする題材なのか、想像したことから表す題材なのかといった活動のねらいによって適した手立ては変わってきます。 ここでは、「言葉」をもとに子どもがイメージを膨らませる方法について紹介します。このとき活躍するのが板書です。まず、教師の声かけや題材名から思い浮かべたイメージを聞きだします。子どもから出てきた言葉は、板書してクラス全体で共有します。その際、形や色に関するキーワードを観点ごとに整理して書くことで、イメージを膨らませるヒントになります。友だちが思い浮かべたイメージを知ることも、「自分だったら……」と考えるきっかけになります。子どもの言葉を受け止め、言葉をつなぎ、イメージを膨らませる手助けをするのが、教師の役割です。発言していない子どもも自分の頭の中で想像をめぐらせています。イメージすること、想像することは、子どもが今まさに「自分にとっての新しい意味や価値をつくりだしている」瞬間なのです。「後出し」はNG! 活動が始まってから指示をする「後出し」指示は、子どもの意欲をそいでしまいます。「後出し」しないためには、導入の段階で本時のめあてを子どもたちとしっかりと共有することが大切です。めあてを明確にすることは、適切な評価をすることにもつながります。また、使う用具の指示や安全指導などは最初に漏れなく伝えておくことも重要です。 活動が始まったあとのフォローも大切です。めあてに沿いながら自分の思いをもって活動している子どもを紹介したり、めあてからそれた活動をしている子どもがいれば、いっしょにめあての確認をして方向性を修正することも大切です。導入のポイント? 実物(材料、用具、動く仕組み、参考作品など)を見せる。?「何を、どこまで示すか」に注意する。? 題材のねらいにあった手立てを選ぶ。? 子どもの発言を板書するときは、観点ごとに整理して書く。? 本時のめあてを子どもと共有する。? 使用する用具や安全指導などの指示は漏れなく伝える。?子どもがめあてに沿って活動できているか確認する。意欲を引きだすイメージが膨らむように「後出し」はしない