ブックタイトル子どもとつくる図工の時間

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概要

子どもとつくる図工の時間

18子どもは教師の想定を超えていく 授業が子どもとの関わりによって変わっていく――これまでの授業を思い返してみると、そうした場面がたくさんありました。例えばいつかの図工の時間、ペットボトルで車をつくる題材で、一人の子どもが車体に色水を入れることを思いつきました。私は工作的な活動をイメージしていたのでペットボトルを容器として生かすことは想定していなかったのですが、その子のつくった車はとても素敵なものになり、他の子どもたちにも大ヒットしました(しかも何も入れていない状態よりよく進む気がしました)。このように、子どもたちが目の前で活動しているからこそ、机上では気づけないことにハッとさせられ、よりよい授業をつくることができると感じています。子どもに合わせて展開を変える あるとき、子どもの反応を見て導入をやり直したこともありました。六年生で、「気持ち・心」をテーマに絵に表す授業をしたときのことです。透明なアクリル板の上に、木工用接着剤を混ぜた絵の具を使って表す活動でした。この絵の具はとろとろした感触がおもしろい材料です。木工用接着剤を混ぜたのは、「気持ち・心」を「うれしい」「悲しい」といった概念化された記号のようにとらえるのではなく、絵の具と関わることに没頭しながら、自分のえがいたものに自然に表れてくる内面的な「気持ち・心」を感じとってほしかったからです。 初めて使う材料なので、第一次では絵の具をつくったあと「ためしながらいろいろいじくってみよう」と提案しました。様々な表し方をためしながら、絵の具の変化をじっと見つめる様子が見られました。 しかし、第二次で「気持ち・心」というテーマを改めて提示すると、予告はしていたものの、子どもたちは困ってしまいました。自分の内面と絵の具の色や形とがどうつながっていくのかが分からなかったのだと思います。 そこで、第三次は第二次までの作品を鑑賞することから始めました。自分が何気なく選んだ色や行為が、自分の心の中授業は変容する中島 綾子(東京都 赤土小学校)2