ブックタイトル子どもとつくる図工の時間

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概要

子どもとつくる図工の時間

Chapter 4 ● 授業のみかた25授業者の意図を読みとる 授業者は、子どもたちにどのような資質・能力を育もうとしているのでしょうか。それは、どうしたら感じとれるのでしょうか。指導案を読むと、授業者の意図の大枠を読みとることができますが、具体的な指導方法などは授業そのものから学ぶしかありません。 「先生は子どもたちとどのように関わっているだろう」「どのような姿勢で、どの向きから、どのタイミングで何を話しているだろう」「何を意図して板書を構成しているだろう」「材料や用具をどこに置いているだろう」。その先生の息づかいやたたずまい、子どもとつくる場の雰囲気などから指導の意図を探ってみましょう。「どこから見るか」も考えよう どこから見るかによって、見えてくるものが変わってきます。教室の後ろに立てば、場全体の雰囲気や授業者の発問、板書が見えてきます。教室の前に立てば、先生の発問に対する子どものリアクションや活動への意欲が見えてきます。子どものそばにしゃがんでみれば、その子の目線や体の使い方などの細部が見えてきます。 子どものそばで授業を見るのが私のおすすめです。子どもの目線や表情、手つきや動き、表現したものとの距離など、様々なところから子どもの思考を感じとることができます。例えば、前に乗りだすようにして腕全体で粘土に穴をあけようとしてる子どもの、手全体に込めた力の具合、高く上がった肘、粘土にくっつきそうになるくらい近づいた顔――。子どもに近づきよく観察することで、教室全体を漫然と見ているだけでは分からなかった、子どもが感じていること、考えていることを知ることができます。 いつも教室の後ろで立ったまま見ているという方は、ぜひ一度子どものそばにしゃがんでみてください。子どもの前に回り込んで、目線を追いかけてみましょう。子どもに近づいて息づかいを感じてみましょう。子どもといっしょになって座りこんでみましょう。授業、どこから見る?教室の後ろから?全体の雰囲気、授業者の発問や板書などが見える。=「授業を受ける」子ども側の目線教室の前から?発問に対する子どもの反応や意欲が見える。=「授業をする」授業者側の目線子どものそばにしゃがんで?子どもの目線や動きなどの細部が見える。=子どもの思考に寄り添う目線