ブックタイトル子どもとつくる図工の時間

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概要

子どもとつくる図工の時間

Chapter 4 ● 授業のみかた31プロセス探偵になろう えがかれたモチーフや、絵の具の色の重なり、描画材のタッチなどを頼りに、描画の過程をじっくり読み解く「プロセス探偵」になりきってみると、活動中の子どもの体の動きや視線の先が徐々に目の前に浮かんできます。「プロセス探偵」になるとき、子どもの思いに寄り添おうとしている自分に気づきます。形や色との出合いによって生まれる豊かな学びは、創造活動のプロセスそのものにあります。ですから、活動のプロセスを読み解くことで、子どもの学びを読みとることができるのです。子どもとお話しする 「いい感じだね! ねえ、この絵のお話しして」。作品を子どもといっしょに眺めながら、その子の心をのぞかせてもらうときの、私のとっておきの言葉です。子どもたちは、頬を緩めて一気に語りだします。私は、「へえ、そんなことがあったの。キラキラ光っていたんだね」と作品を指差しながら相づちをうちます。この時間が大好きです。 子どもの作品には、体で感じた色・音・気持ちの変化など、表したかったことがたっぷりつまっています。一枚の画用紙にえがきだされた心の中のイメージは、言葉だけでは表せない複雑なもので、時間を何層にも重ねた厚みをもっています。 教師や親が自分なりの推理を引き出しとしてもっておき、「ねえ、お話しして」と語りかければ、心と心はさらに近づくことでしょう。「わあ、ピンクだ。使ってみたい」。とろとろ絵の具のきれいなピンク色に目を奪われ、早速お気に入りのモチーフの花をかいたのでしょう。画面にいくつもの花が引き立つようにえがかれています。花を守るように気を配りながら、海でしょうか道でしょうか、背景を青色で彩っています。二本の指の軌跡が動物の足跡になることを発見。青色とピンク色のコントラストの美しさにも気がつきました。指の向きや力の入れ方を変えながら、体をひねって楽しそうにえがいています。船から動物が降りてきました。花・海・船・雲。感じて、考えて、手を動かしていくうちに発想が広がり、それぞれのモチーフがつながって、お話づくりへと豊かに発展しています。1.2.推理結果以上が私の推理です。みなさんは、どう推理しましたか?