ブックタイトル子どもとつくる図工の時間

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概要

子どもとつくる図工の時間

35Chapter 5 ● 授業のひろがりいやすいものへと改良が進んでいます。「左利き用はさみ」は今でこそ普通に販売されていますが、昔は普及していませんでした。材料や用具に関する情報に常にアンテナを高く張っておくことも、子どもたちの豊かな表現を支えるために重要です。多角的な視点から支援を考える 複数の観点から支援の方法を探ることは、すべての子どもにとってよりよい授業を考えることにつながります。例えば、「何をかいたら(つくったら)いいか分からない!」と発想の段階でつまずいてしまう子どもがいます。発想のきっかけは様々ですが、友だちと話したり、友だちの表現に出合うことがきっかけになる場合もあります。班隊形で座る図工室の机は、互いの様子を見合い、情報収集するにはちょうどよい環境です。教室内を自由に歩き回れる「おさんぽタイム」を設けて、友だちと話したり作品を見たりできる時間を取り入れることも考えられます。 「一学期」、「一学年」といった長期的なスパンで俯瞰したときに、必要十分な授業内容になっているか点検することも重要です。平面・立体題材の偏りや、扱う材料・用具のバランスなどをチェックし、子どもたちそれぞれが楽しむことができる年間指導計画になっているか、見直してみましょう。 そして、常に忘れてはならないのが、子どもと対話し、子どもを知ることです。子どもたちに「これは何? 何をしているところ?」と聞いていくと、作品や活動を見ているだけでは分からない、その子の思いの深さを知ることができます。直接関わることで、その子への助言や支援も変化していくはずです。一人一人を見つめて 自分の思いを表出することが原点である図工では、一人一人を見つめ、一つ一つの作品を大切にする授業が受け継がれてきました。目の前の子どもに寄り添い、その子がどんな特性を持ち、どんな支援を必要としているか考えてみましょう。それが、「個に応じた指導」ひいては「すべての子どものための授業」につながるはずです。*合理的配慮…障害のある子どもが、他の子どもと平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うこと。(参考:文部科学省 『特別支援教育の在り方に関する特別委員会報告』 2012 )様々な視点から支援を考えようめあてや手順は、板書や掲示物を使って分かりやすく示そう。友だちとの関わりがきっかけになることも。環境を整えよう。子どもにとってより扱いやすいものがないか探してみよう。「一学期」、「一年」を通して、授業内容に偏りがないか点検しよう。視覚情報の整理発想のきっかけ材料や用具長期的なスパンでまずは子どもと対話し、「今」の子どもを知ることから始めよう!