ブックタイトル子どもとつくる図工の時間

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子どもとつくる図工の時間

39Chapter 6 ● わたしの授業題材のきっかけ 花に魅かれるのは虫だけではありません、人も同じです。桜が咲けばお花見に出かけ、うれしいときも悲しいときも花を飾り、大切な人には花を贈ります。子どもたちも、生活科や理科の授業で花を育てたり、じっくり観察してスケッチしたりします。また、花は見る人に様々なイメージを喚起させたり、ときには心をもつものとして語られたり、人に例えられたりすることもあります。 実際に花を見ながら絵に表したりする題材もありますが、今回は、想像の世界に咲く「まぼろしの花」をかいてほしいと思いました。子どもの中で、「花」に対する馴染みのあるイメージと、「まぼろし」という不思議な言葉から引きだされるイメージとが混ざり合いながら展開していってほしいと思いました。一見相反するような二つのイメージを、「えがく」行為を通して結びつけることで、まだ見ぬ「まぼろしの花」に出合うことができるのではと考えました。事前の準備 図工室の机の大きさは180㎝×90㎝。四人で使うことを想定して、紙の大きさは90㎝×30㎝にしました。子どもがうんと腕を伸ばしてやっと端まで届く大きさです。この細長い形は、「伸びる」「育つ」「つながる」といったイメージを引きだすきっかけになります。縦にも横にも使えるし、どこからかき始めてもOK。下から茎を伸ばしていこうか、花からかこうか、花は何種類もかこうか、などと子どもが考える瞬間が生まれるようにと考えました。また、自分のイメージを花に重ね合わせながら、体をいっぱいに使ってかくスケール感を存分に味わえるように、体がぶつからないよう十分な広さを確保し、床の上でかくのもOKにしました。描画材は何度も重ねてかけるアクリル絵の具を選び、凸凹感やなめらかさが特徴の液体粘土も用意しました。筆、刷毛、ローラー、スポンジ、木べらなども用意し、材料や用具との関わりの中から多様な表現が生まれてくることを期待しました。授業をかんがえる1授業計画六時間誰も見たことも聞いたこともない「まぼろしの花」を自分なりに想像し、絵に表す。関 まぼろしの花を想像して、絵に表すことを楽しもうとしている。発 まぼろしの花を想像して、伸びる茎や花などの表し方を考えている。技 表したいことに合わせて、材料や用具の使い方をくふうしている。鑑 自分や友だちのかいた絵を見て、互いの作品のよさやおもしろさを味わっている。① 「まぼろし」「花」という言葉や、地の色をぬる活動を通して、どんな花が咲くのか想像する。② 材料や用具の使い方をくふうしながら、自分の「まぼろしの花」を表す。③ 互いの作品を鑑賞し、自分や友だちの作品のよさやおもしろさについて伝え合う。展 開 評価規準 目 標 時 数