ブックタイトル小学道徳 生きる力 『道徳ノート』活用のアイデア

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小学道徳 生きる力 『道徳ノート』活用のアイデア

授業中のポイントノート記入時のポイント授業準備の留意点授業後の留意点(4) (5)「くりの み」(小学どうとく 生きる力 2年 p.102~105) B 親切,思いやりうさぎの優しさに触れ,自分のことしか考えられなかったことを後悔するきつねを通して,困っている人を温かい心でいたわり,互いに助け合っていこうとする心情を育てる。児童の学習活動主な発問と予想される児童の発言指導上の留意点( ○ )準備物( ● )期待する児童の学習( * )導 入(1) 自分の経験を思い起こし発表する。○涙が出るときって,どんなときでしょう。・お母さんや先生に怒られたとき。・友達とけんかしたとき。・うまくできなくて悔しかったとき。・うれしかったとき。○涙が出るのは気持ちが高まったときであることに気づかせ,ねらいとする価値について考える一助とする。展 開(2) 教材「くりの み」を読んで考え,話し合う。①どんな気持ちや考えから,きつねはどんぐりを隠し,うさぎにうそをついたのでしょう。・僕が見つけたんだから,全部僕のものだ。・これでもうおなかをすかせないぞ。・ うさぎさんにあげるのは嫌だから,見つからなかったって言おう。②うさぎは,どんな気持ちできつねに栗の実を差し出したのでしょう。・ 2つしか見つからなかったから,1つあげたら1つしか残らない。どうしよう。・ きつねさんは1つも見つからなかったからかわいそう。1つあげよう。・こんなしなびた栗だけど,いいかな。・2つあってよかった。1つあげられる。?きつねは,どうして涙を流したのでしょう。・僕は自分のことしか考えていなかったな。・うさぎさん,ありがとう。・ どんぐりを隠したり,うそをついたりしないでうさぎさんにもあげればよかった。・ うさぎさんだっておなかをすかせているのに,僕にくれるなんて。○見つけたどんぐりを隠したときや,うさぎに?をついたときの気持ちを考えさせることで,自分のことしか考えていないきつねに自我関与させる。○うさぎにとっては,ようやく見つけた栗の実であったことを押さえ,それでも1つあげることを決意したときの気持ちを考えることで,相手のことを考えた温かい心の尊さに気づかせたい。○自分のことばかり考えていたことに気がついたきつねが,自分の行動を後悔して恥じる気持ちと,うさぎの親切な行為に感動し,感謝する気持ちに自我関与させる。○道徳ノートに書かせる。*きつねの思いを自分のこととして考える。●うさぎときつねの気持ちを深めたあとに,うさぎときつねのやりとりを役割演技する。(3) 相手のことを考えた親切について自分を振り返る。○うさぎのように,誰かのために何かをしたことがありますか。・ 自分の大好きなケーキだったけど,妹に半分,分けてあげた。・ お友達が転んでしまって,「大丈夫?」と声を掛けて保健室に連れていってあげた。・ 自分が読みたい本を借りようとしたら,お友達も読みたがっていたので,先に譲ってあげた。○親切にした行為だけでなく,そのときの心情も振り返るようにする。○自分もたいへんだったけど,相手のことを考えて行動できたことを思い起こさせる。または,親切にされてうれしかったことを記述し発表させる。○道徳ノートに書かせる。*親切な行為の難しさや,温かい心で互いに助け合っていくことのよさに気づかせる。終 末(4) 本時の学習を振り返りまとめる。○教師が日頃の児童の様子から紹介する。○親切にできた経験だけではなく,親切にしてもらってうれしかったことや,親切にしたくてもできなかったことについても触れ,親切な行為の難しさと尊さに気づかせたい。○実際にクラスで見つけた親切な行為を紹介し,褒めることで実践へと意欲づける。実践事例1ねらい☆ 子どもたちは,きつねがうそをついたのがいけない,ということばかりに目が向きがちです。そんなきつねを変えたうさぎがしたことに,しっかりと目を向けさせたいです。☆ うさぎときつねのやりとりの役割演技の際には,前に出て演じている子どもだけではなく,見ている側の子どもたちが,演技から何に気づくかが大切です。友達の演技から気づいたこと,見つけたことをもとに,みんなで話し合っていきたいですね。☆きつねは,どうして涙を流したのでしょう。発問だけでは,なかなか書くことができない児童もいます。教師が,うさぎになって,栗を差し出す場面を演じるなどして,子ども達に場面の様子を豊かに捉えさせながら発問したいです。自分で考えさせたあとに,ペアトークなどを行い,自分だけでは書くことができなかった場合も,友達と相談して書くことができるようにします。ここでは,必ずしも長い文で書く必要はありません。書いたことは短くても,みんなで話し合う場面で,問い返しながら広げたり深めたりできればよいのです。☆ うさぎのように,誰かのために何かをしたことがありますか。ぱっとひらめく子となかなか思いつかない子の差が大きくなることが予想されます。早く書き始めている子のものを紹介して,ヒントにしたり,「ない。」といって書くことができない子には,友達の発表でいいなと思ったことを書いたりするように促したりするといいですね。1,2年生では,自分の考えをしっかりと言葉にして書くということが難しい子もたくさんいます。道徳ノートの記述だけで評価をするのではなく,授業中の発言や役割演技のときの様子と合わせてみる必要があると考えます。書くことができていなくても授業中に印象的だった児童には,わずかに書いてあることや,授業の様子をきっかけに聞き取りをして,ノートに添え書きをすると,児童自身も理解が深まるだけでなく,教師も活躍していた子だけでなく静かに考えていた児童の考えをしっかりと把握し,評価につなげることができるでしょう。終末場面のエピソードをみつけておきましょう。その際,親切にしていたという片側のエピソードではなく,相手を思いやり親切にした側と,それを受けた側との関わり合いがあるものを子どもたちに伝えたいと思います。親切が相手を喜ばせていたり,笑顔にしていたり,元気づけていたりする場面を見つけることができるといいですね。