ブックタイトル小学道徳 生きる力 『道徳ノート』活用のアイデア

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小学道徳 生きる力 『道徳ノート』活用のアイデア

ノート記入時のポイント授業後の留意点ねらい授業中のポイント授業準備の留意点(6) (7)児童の学習活動主な発問と予想される児童の発言指導上の留意点( ○ )準備物( ● )期待する児童の学習( * )導 入(1) 親切な行動のもとになる気持ちや思いについて考える。○どんな気持ちや思いが,親切な行動につながるのでしょう。・相手を喜ばせたい。・困っている人を助けたい。・褒められたい。○親切な行動のもとになる思いを考えさせることで,ねらいとする価値に迫るようにする。展 開(2) 教材「くずれ落ちただんボール箱」を読んで,話し合う。①2人はどんな気持ちからおばあさんを助けようとしたのでしょう。・困っている。・ 誰も手伝っておらず,1人でたいへんそうだから助けてあげようかな。・男の子が迷子になってしまいそうで心配。②「こまった子たちね。」と,店員に叱られて言い返せなかったとき,どう思ったでしょう。・何も悪いことはしていないのに。・手伝わなければよかった。・腹が立つ。・事情を知らないのに叱るなんて。③どんな気持ちからおばあさんに「いいえ,いいんです。」と言ったのでしょう。・おばあさんのせいにしたくない。・おばあさんにお礼を言われて少し納得した。・お礼を言われたくて片付けたのではない。?「お二人の温かいお気持ちに心打たれた」という手紙の言葉を聞き,「わたし」はどんな思いをもつようになったのでしょう。・わかってもらえてうれしい。・ 進んで親切にすれば誰かが見てくれているのだな。・ 自分たちのしたことは間違っていなかったのだな。○おばあさんと男の子を心配して助けてあげることにした2人の気持ちを考えさせる。●挿絵を黒板に貼る。○親切な行いが誤解されて嫌な気持ちになった2人の腹立たしさに気づかせる。○2人のとった行動が,親切であったことを捉えさせる。○腹立たしい気持ちがありながらも,親切にした相手には伝わっているということや,自分の親切心を信じて行動することの大切さに気づくようにする。○自分のしたことがわかってもらえたうれしさに共感させるとともに,進んで親切にすることのすばらしさに気づかせる。○道徳ノートに書かせる。*二人の思いやりの心に目を向ける。○「もし,店員さんや校長先生にほめられなかったとしたら,2人の親切の値打ちは下がるのだろうか。」という補助発問をするなどし,周囲に誤解されたとしても,おばあさんを思いやった2人の行為が親切であることに気づかせたい。(3)「 本当の親切」について考える。○本当の親切,思いやりとは,どんな心なのでしょう。●お礼の手紙を黒板に貼る。○道徳ノートに書かせる。*周りがどうであれ,相手を思いやった行為が親切であることに気づく。終 末(4)教師の話を聞く。○教師自身の思いやりのある行動や,親切にされた体験を話す。○余韻をもって終える。「くずれ落ちただんボール箱」たとえ相手にわかってもらえなくても,相手のことを考えてしたことは親切であることに気づき,思いやりの心をもって親切にしようとする心情を育てる。実践事例2☆ 導入での発問は,親切ということに,子どもたちの考えを向けるためのものであるので,ついつい,いろいろと尋ねたくなりますが,深く問う必要はありません。☆ 中心発問のあとの補助発問「もし,店員さんや校長先生に褒められなかったとしたら……」のところを活用して,中心発問を深めることで子どもたちは,「親切,思いやり」について新たな気づきをもつことができると考えます。☆「 お二人の温かいお気持ちに心打たれた」という手紙の言葉を聞き,「わたし」はどんな思いをもつようになったのでしょう。ノートに書かせる前に「温かいお気持ち」とはどういうことなのかの確認が必要でしょう。ただ,だんボールを片付けただけではない二人の思いやりの心に目を向けさせたいです。また,たくさんの友達の考えに触れさせ,そこからもう一度考えさせることが大切であると考えます。この場面のノートは箇条書きで十分です。ギャラリーウォーク(友達のノートを見て回る活動)等を取り入れ,「なるほど」と思った友達の考えをノートに書かせて,後から自分が一番「なるほど」と思ったものに印をさせた上で話し合い活動に入っていくことで考えを深めさせます。余韻をもって終わる授業展開になっているので,学習した内容をもっと明確にしたい場合には1学期に学習した同じ内容項目の「やさしいユウちゃん」を読んだり,その時の道徳ノートを振り返ってみたりする活動を授業後に取り入れることもできるでしょう。振り返って気づいたことや考えたことを書かせる中で,自分の考え方の広がりに気づいたり学んだことを深めたりすることもできると考えます。また,そのことを評価に生かしてもよいでしょう。自己評価の欄があることで,子どもたちは自分が何を学ぶことができたかを認識できます。また,教師にとっては,ねらいと合わせてみることで,授業評価にも役立ちます。「ねらい」への理解をしっかりと深めておくことが大切です。子どもたちは,まだまだ親切にしたことが人に認められることで満たされがちです。教材から簡単に読み取ることができる「親切に気づいてもらえてよかった。」「親切にすれば誰かが気づいてくれる。」という子どもたちの考えから一歩踏み込んで,相手を思いやり親切にすることは,たとえそれが相手や周りに気づかれなくても親切であり,相手や周り,そして自分自身の心を温かくしていくものであることに気づいていってほしいものです。そのためには,教師が,「親切,思いやり」についての考え方を豊かにもっておく必要があるでしょう。(小学道徳 生きる力 5年 p.126~129)B 親切,思いやり