ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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概要

小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

431 素原稿の検討実際に原稿用紙に向かって書いてみると,また新たな問題点が生じてくるものです。単元のねらいや内容が確保されているか,文章が事実にもとづいているかどうか,資料の位置づけとはたらきが適切であるかどうか検討していきます。このとき,検討の視点を明確にしておくことが必要です。内容についての専門家,指導についての関係者などを加えて検討をおこなうことも一つのくふうです。2 第1次原稿の作成・検討こうして,単元ごとに作成された原稿が出そろったところで,叙述の重複や脱落,表記などに注意しながら,全体会で検討し,問題点を解決していくわけです。原稿を執筆する際の留意点でもありますが,以下の点について確認していきます。まず,著作権の問題です。他人の著作物を引用したり,美術作品を掲載したり,歌詞や楽譜を使用したりするには,許諾が必要です。このような場合,教育委員会の副読本を担当する指導主事から相手方に使用の主旨を説明してもらうとスムーズにいくようです。肖像権についても,侵害しないよう注意を要します。クラスの児童の学習活動のようすの写真が掲載された副読本をよく目にします。人物が特定できる写真を掲載する場合は,その保護者に了解を得ておくようにします。そのほか,名誉毀損はないか,プライバシーを侵害していないか,不適切な用語や図画はないか等々,細かな注意が必要です。以上のような内容面の検討とともに,文脈は通っているか? 文体は統一されているか? 表記は統一されているか? 言葉遣いは統一されているか? ふりがなは執筆要項で決めたように付されているか? 漢字の使い分けは正しくなされているか? 外来語の表記はきちんとされているか? 等々形式的な点についても,執筆要項を念頭に置きながら検討していきます。副読本の作成はあくまで協同作業ですから,この第1次原稿の全体での推敲が何よりも大切です。時間はここにかけるべきで,この作業を経ているかいないかで副読本の良し悪しは決まる,といってもよいでしょう。地図やグラフなどについても,同じように検討します。3 教材の再構成,再取材第1次原稿の検討を慎重におこなうことによって,部分的に修正したり,補完したりするところが出てきます。これは限られた時間での取材であり,執筆であるためやむをえないことでもあります。そういう場合には再取材が必要になります。それにもとづく執筆がおこなわれます。そのための時間を確保することが必要になります。よい教材を作成するために,素材の検討,取材地への取材方法について話し合われるとよいと思います。アイディアの出し合いがおこなわれ,執筆を担当する者にとってはたいへんに参考になるからです。協同作業である編集作業には,お互いの協力が必要です。取材も一人で行くより複数で行ったほうがよいと思います。第1次原稿の検討会について