ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

54 Ⅲ 原稿執筆のポイント1 学習指導要領に見る活動や体験これまでも求められていたことですが,学習指導要領は,体験や活動をとくに重視して学習を組み立てるよう強く求めているといえます。「第3学年」の「2 内容」の(1)を見てみましょう。(1 )ア(イ)観察・調査したり地図などの資料で調べたりして,白地図などにまとめること。この内容は,小単元「わたしたちの市のようす」にかかわるものです。これを見ると,観察,調査,白地図にまとめる,という三つの活動,体験をさせて,地域のようすは場所によって違いがあることを考えさせるように,と述べています。これは,この小単元だけではなく,3・4年の内容すべてについて述べていることです。見学,観察,調査,年表にまとめる,白地図にあらわす,地図を読むなどの活動や体験を通して考えさせるよう求めていることがわかります。こうしたことに対し,副読本はどう応えたらよいか,ということが問題になります。つまり,どんな紙面をつくったらよいかということです。次に,その提案をしてみましょう。2 どうしたらそれができるか以前に,へちまの実の観察で「よく見てらっしゃい。そしてたくさん書いてください。」といってもさっぱり書いてくれないというのが問題になったことがあります。そこでの結論は,「口でいっただけでよく観察し,たくさん書けるようになったら,楽なものだ。いったい観察とはどうするのか,どうしたら詳しく観察できるのかということを,子どもに教えていないのではないか」ということでした。そして,へちまの実の観察のときには,少なくとも,①数えてみる ②計ってみる ③さわってみる ④比べてみる,といった観察の視点をしっかり指導して活動させることが必要だろうということになりました。観察,見学,調査,白地図にあらわす,地図を読む,年表にまとめるといったとき,まさにこのへちまの実の観察での問題を思い出すのです。つまり,どうすればより詳しく観察できるのか,見学も,調査も同じです。また,地図を読むとか,白地図にあらわす,年表にあらわすといっても,どうあらわしたらよいのかという,まさに活動,体験の基本ともいえることなのです。副読本には,こうした,どうすればそれがよくできるか,といったことをきちんと指導することで,子どもの活動,体験をよりしっかりしたものにすることができるのではないかと思います。つまり,見学の仕方,観察の仕方,調査の仕方,白地図へのあらわし方,地図の読み方,年表へのあらわし方などです。同じように,資料の読み方の指導もありますが,これについては次のページを見てください。こうした3年生,4年生からの積み上げが,高学年になったとき,しっかりした資料活用の技能の育成につながります。活動や体験の重視