ブックタイトル小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩
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小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩
8小5平均が用いられる場面として,次の2つが考えられます。① 測定値の平均測定には必ず誤差が伴う。そこで,同じ測定を繰り返して得た複数の測定値を平均することで,真の値に近い値を得ようとする場面。② 代表値としての平均(平均値)データの分布の傾向をとらえるために,データを代表する値として用いる場面。中1の内容であった代表値(平均値,中央値,最頻値)は小6で指導することになりました。この「平均値」は従来から小6で指導していた内容であり,上記の②にあたるものです。ここでは,従来通り小5で扱う①について述べます。1.平均のイメージ平均の指導にあたっては,まず,子どもに「ならす」ということのイメージを持たせることが大切です。例えば,縦に積んだ6個,5個,7個のブロックで,ブロックを高い方から低い方へ移動させると高さがそろうという操作活動が考えられます。また,容器に入ったジュースを均等に分けるという活動もよいでしょう。このとき,全てをたし合わせたのち等分するという方法を考えさせることで,平均を計算で求めるという学習につなげることができます。2.測定値の平均例えば,ある人物が自然に歩くときの歩幅を1歩ずつ測定すると,数cm 程度のばらつきが生じるはずです。この人の歩幅を知りたいとき,1歩だけ歩いてその長さを測ると,たまたま長めの値を得たり,短めの値を得たりするかもしれません。そこで,10 歩の長さを測定して,その平均を求めることで,より妥当な歩幅を知ろうと考えるわけです。3.測定値の平均のよさ前述の歩幅の話では,まず,「歩幅を使って,学校の運動場のはしからはしまでの長さを求めましょう。」といった問題を提示し,問題解決のために平均を活用するという展開にするとよいでしょう。このとき,同じ人物が10 歩いて歩幅を測定する実験を何回か行い,測るたびに値が変わってしまうことを経験させます。つまり,実験結果やその測定値には誤差が伴うことを経験的に知らせるのです。その上で,「10 歩の長さを測ってから,1 歩の長さの平均を求めればよい」「同じ実験を何回かして,その結果の平均を求めればよい」ということに気づかせるとよいでしょう。このような学習では,単に正しく計算ができればよいということではなく,測定値の平均を求めることのよさを実感できるようにすることが大切です。測定値の平均