ブックタイトル小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩

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概要

小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩

10小6?中1量的データの分布の様子をとらえるには,度数分布表やヒストグラムが有用です。しかし,データの特徴を1つの値で代表させて,簡潔に表すことにもよさがあります。このような値を代表値といいます。小6では,代表値として平均値,中央値,最頻値を指導します。これらは,「データの特徴を代表する値」を異なる観点からとらえたものです。1.平均値「平均値」は統計用語ですが,小5で指導する「平均」と求め方は同じで,データの個々の値を合計し,その個数でわった値です。後述する最頻値とは異なり,データの全ての値を使って算出します。反面,外れ値(極端に大きな値や小さな値)の影響を受けやすいという特徴があり,データの分布の様子や代表値を使う目的によっては,代表値として適切であるとはいえない場合があります。2.中央値データの個々の値を小さい順に並べたとき,中央にくる値を中央値,またはメジアンといいます。中央値の求め方を,値の総数(データの大きさ)が奇数の場合と偶数の場合に分けて説明します。次の例1 では,全部で9個の値があります。このときの中央値は,小さい方から数えても大きい方から数えても5番目にくる6です。例1 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨↑中央値0 1 3 4 6 8 8 8 9次の例2 では,全部で10 個の値があり,真ん中に値がありません。このときの中央値は,小さい方から数えて5番目と6番目にくる2数(6と8)の平均値7です。0例2 ①1②3③4④6⑤8⑥8⑦8⑧9⑨13⑩ (6+8)/2= 7       ↑中央値中央値の特徴は,平均値と比較することで理解させることができます。まず,外れ値の影響について考えてみましょう。例3 では,全部で11 個の値があります。小さい方から10 番目までの値は例2 と同じで,外れ値39 を付けたしたデータです。値の総数は奇数なので,中央値は真ん中の8です。例3 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩39⑪↑中央値0 1 3 4 6 8 8 8 9 13右の表は,それぞれの平均値と中央値です。外れ値39 の有無によって,2つのデータの平均値は3違ってきますが,中央値の違いは1だけです。このように,中央値には,外れ値の影響を受けにくいという特徴があります。反面,中央値は真ん中だけを表しているので,データ全体の比較には向かない場合代表値平均値中央値例2 6 7例3 9 8