ブックタイトル小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩
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小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩
11があります。A,B の2人が受けた3回の小テストの結果が次の通りだったとします。1 回目2回目3回目平均値中央値A 7点7点10 点8点7 点B 3点7点8点6点7点テストの結果がよかったのがA であることは明らかで,そのことが平均値には反映されますが,中央値には反映されません。3.最頻値データの中で最も多く現れる値を最頻値,またはモードといいます。例1 , 例2 ,例3 では,いずれも8が最多で3個あるので,最頻値は8です。(実際には,これほどデータの値の個数が少ない場合は偶然の影響が大きいため,最頻値を代表値として利用することはないでしょう。)例えば,ある学級で,1 か月に読んだ本の冊数を調査した結果が右の表のようになったとします。この場合,平均値と中央値は2冊ですが,何冊読んだ人が多いのかを知りたければ,有効な代表値は最頻値の1冊ということになります。反面,最頻値は,他の値を全て無視するという特徴にも気づかせたいところです。小6では,ドットプロットで最頻値を見つけるような指導をします。しかし,連続的なデータを取り扱う場合,同じ値をとる測定値(観測値)はあまり見られないため,「データの中で最も多く現れる値」に代表値としての意味がない場合もあります。その場合,度数分布表やヒストグラムに整理し,度数が最大の階級の真ん中の値(階級値)を最頻値として用います。このことは,中1で指導する内容となります。本書では,P.13 で説明します。4.代表値の指導上の注意点代表値からは,分布の形や外れ値の有無などの情報は読み取れません。また,どの代表値を用いるのがふさわしいかは,文脈によって変わります。代表値を用いる際は,データの分布を確認したり,文脈に応じて適切な代表値を選択したりできるように指導することが大切です。また,ヒストグラムなどと併用したり複数の代表値を相補的に扱ったりすることが求められます。右の表は,ある会社の従業員20 人の通勤時間のデータで,平均値は32分です。では,通勤時間が30 分の従業員は,この20 人の中で通勤時間が短い方といってよいでしょうか。この場合,20 人の過半数にあたる12人の通勤時間が30 分未満であることから,30 分という通勤時間は,平均値よりは短いものの,全体の中では長い方といえます。このように,集団の中で,全体の真ん中より大きい方に属するのか小さい方に属するのかを知りたいときには,平均値より中央値の方がふさわしいといえます。この例のように,データの分布が左右のどちらかに偏っている場合,平均値と中央値にずれが生じます。読んだ本の冊数度数(人)0 51 122 93 74 65 1合計40通勤時間(分)5 257 2610 3010 4212 4515 5015 5819 6020 7922 90