ブックタイトル小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩

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概要

小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩

13階級を設定するときに考慮するべき点がいくつかあります。① 階級の幅を一定にすること小学校算数・中学校数学で扱う度数分布表では,通常,階級の幅を一定にします。ただし,社会一般に使われている度数分布表やヒストグラムでは,意図的に階級の幅を一定にしない場合もあります。② 自然でわかりやすい区切りであること100 点満点のテストの結果を度数分布表で表すときは,階級の幅を10 として,0 点以上10 点未満,…,90 点以上100点未満として最後の階級を100 点とするか,最後の階級だけ90 点以上100 点以下4 4 とするのが自然で,集計もしやすいでしょう。③ データ全体の傾向が最もよく現れるようにすること階級の幅を広く取りすぎたり,狭く取りすぎたりすると,分布の特徴が見えにくくなります。このことは,P.19 で詳しく述べます。小学校算数・中学校数学では,データの最大値と最小値の間を5 ~ 10 個程度の階級に分けることが多いですが,この個数に明確なきまりがあるわけではなく,データ全体の傾向が最もよく現れるようにすることが大切となります。4.度数分布表から最頻値を求めること離散的なデータでは最も多く現れる値を最頻値としますが,連続的なデータでは同じ値が多く現れるということがあまりなく,あったとしてもデータを代表する値としてふさわしくないということがあります。次の図は,前ページの度数分布表の元データから作成したドットプロットです。6年1組の最頻値は18 mですが,6年2組の最頻値はどうでしょうか。最も多く現れる値はドットが2個ある15 m,20 m,21 mですが,これらの値がデータを代表する値としてふさわしいといえるでしょうか。このように,データの値に重複があまり見られないような場合や,ドットプロットで同じくらいの高さの山が複数あるような場合,「データの中で最も多く現れる値」を代表値として扱うことはふさわしくありません。その際には,度数分布表の度数が最大である階級の階級値を最頻値として用います。階級値とは,階級の真ん中の値のことです。この方法で最頻値を求めると,次のようになります。6年1組 (15+20)/2=17.5(m)6年2組 (20+25)/2=22.5(m)このような最頻値の求め方では,階級の幅の決め方によって異なる最頻値が求められるという点に注意が必要です。この内容は,中1で学習することになります。56年2組女子10 15 20 25 30(m)56年1組女子10 15 20 25 30(m)