ブックタイトル小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩

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概要

小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩

15を求める」(※)という文脈で示され,数学的確率を求めるために「起こり得る場合の数」を考えるのであれば,2個のみかん味のアメを「み1」「み2」,2個のいちご味のアメを「い1」「い2」のように,それぞれ区別して考える必要が生じます。つまり,同じ場面設定で「起こり得る場合の数」を求めるときでも,「同様に確からしい場合の数」を求める必要があるのかどうかで答えが変わってくることもあるということです。前述の(※)の文脈で,(1)箱の中からアメを2個取り出すとき,味の組み合せ方は全部で何通りか。(2)箱の中からアメを2個取り出すとき,2個ともみかん味になる確率を求めよ。と小問に分けて出題したとき,出題者は(1)で「4通り」と答えさせることを想定しているのかもしれません。しかし,解釈次第では「3通り」と答えてもおかしくはないことに留意しなければなりません。確率の指導にあたっては,数学的確率を求めるためには「同様に確からしい場合の数」を考える必要があることを強調することが大切です。そのために,同様に確からしくない例も取り上げて理解を深めるようにするとよいでしょう。問 バスケットボールのフリースローは,成功する  場合と失敗する場合の2通りが考えられます。成功する確率と失敗する確率は,それぞれ1ー2ずつであるといえますか。理由とともに,自分の考えを説明しましょう。3.重複を許すか否か順列・組合せともに,「同じものを何度使ってもよい」という条件下で場合の数を考えることがあります。このような順列・組合せを,それぞれ重複順列・重複組合せといいます。(例)赤色,青色,黄色の玉が1個ずつはいっている袋の中から無作為に2個を取り出す。① 1個目を袋に戻さずに2個目を取り出すときの順列は,「赤-青」「赤-黄」「青-赤」「青-黄」「黄-赤」「黄-青」の6通り。【順列】② 1個目を袋に戻してから2個目を取り出すときの順列は,①の6通りに「赤-赤」「青-青」「黄-黄」を加えた9通り。【重複順列】①のような取り出し方を非復元抽出,②のような取り出し方を復元抽出といいます。上では順列を例に説明しましたが,組合せを考えるときも同様です。指導にあたっては,順列と組合せ,重複を許す場合と許さない場合を意識して出題するとともに,子どもが文意をきちんと読み取ることができるように指導することが大切です。取り出す(1回目)混ぜるもどす取り出す(1回目) 取り出す(2回目)取り出す(2回目)◆復元抽出のイメージ◆非復元抽出のイメージ