ブックタイトル小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩
- ページ
- 27/36
このページは 小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩 の電子ブックに掲載されている27ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩 の電子ブックに掲載されている27ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩
25な樹形図をかく活動を通して,同様に確からしいといえる場合の数は4通りであることを理解させます。なお, 本来は区別できない2枚の硬貨をA,B としたり, 表を○, 裏を* として図を簡略化したりすることも, 大切にしたい数学的な見方・考え方です。最初は指導者が手本を示すとしても,最終的には,生徒が必要に応じて記号で表せるようにしたいものです。ところで,数学的確率を学習すると,確率の本来の意味を見失いがちです。そこで,P.15 で述べているように同様に確からしいといえないことがらの確率を考えさせたり,「1枚の硬貨を20 回投げたとき,必ず表と裏が10 回ずつ出るといえるか」と問いかけたりして,確率の意味を確認する場面を設けるとよいでしょう。中2では,確率を求めるだけではなく,確率を用いて不確定な事象をとらえ考察し表現することも指導します。例えば,くじ引きをするとき,引く順番によって有利・不利が生じるかを考えさせる課題を設けることが考えられます。このとき,「…の確率を求めなさい。」と問うのではなく,「先に引く人は有利か不利か,あるいは先でもあとでも同じかを予想しよう。」「自分の予想が正しいか考え,判断し,その根拠を樹形図や表を使って説明しよう。」などと問うとよいでしょう。Y のどちらかを代打に選ぶとします。Xの打率は4 割,Y の打率は3 割です。実際には長打力など別の要素も考慮しますが,打率だけで考えるのであれば,打率が高いX を選ぶのが妥当といえるでしょう。ここでいう打率は相対度数であり,確率であるとはいえません。しかし,ヒットを期待できる程度が大きいのはどちらかを考えるときには,確率と同じように判断の材料とすることがあります。このように,過去のデータから起こりやすさの傾向を予測するために,相対度数を確率とみなすことがあります。3.場合の数をもとにして得られる確率中2では,場合の数をもとにして得られる確率を指導します。このような確率を,数学的確率といいます。ある試行で,起こりうる場合が全部でn通りあって,そのどれが起こることも同様に確からしいとするとき,それぞれの場合の起こる確率は1n であり,ことがらA が起こる場合がa 通りならば,1 回の試みでA の起こる確率はan です。これが,場合の数をもとにして得られる確率です。ここで特に重要となるのが,「同様に確からしい」という概念です。例えば,2 枚の硬貨を同時に投げたとき,起こりうる場合は2枚とも表,1枚は表で1枚は裏,2枚とも裏の3通りと考えることができます。しかし,この3通りは,同様に確からしいとはいえません。このことを,実験を通して経験的に知らせたうえで,2枚の硬貨をA,B と区別し,次のよう…表 …裏A B