ブックタイトル小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩
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小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩
27めると,次のようになります。ただし,前ページの④に示したように,標本調査の方が適切な情報を得られる場合もあります。また,標本調査も適切な方法で行えば,目的に見合った十分に精度の高い結果を得ることができます。指導にあたっては,具体的な事例について,全数調査と標本調査のどちらがふさわしいかを選ぶだけではなく,その理由も考えさせることが大切です。問 次の調査は,全数調査と標本調査のどちらで 行われますか。(1) 中学校で行われる進路希望調査 理由と答え:生徒一人一人の希望を知りたい ので,全数調査で行われる。(2) 乾電池の寿命の検査 理由と答え:検査に使った製品は商品として 売れなくなるから,標本調査で行われる。3.標本調査の方法や結果を批判的に考察し表現すること生徒自身が調査を行ってレポートを作成する上でも,新聞やインターネットなどで公表された実際の調査結果を読み取る上でも,調査の方法や結果を多面的に吟味し,批判的に考察することが大切です。ふつう,世論調査の結果を公開する際には,次のような情報も一緒に示します。結果だけでは,その調査の意味や信頼できる程度が正しく伝わらないからです。(1)調査の目的(2)調査項目(3)調査の対象 ① 母集団 ② 標本,標本の大きさ ③ 標本抽出の方法(4)調査日(期間)(5)調査方法(6)有効回収数(率)例えば,内閣支持率は短期間で変化することから,いつ調査したのかがわからなければ,その調査結果には実質的に価値がないと判断する場合があります。テレビや雑誌,インターネットで紹介されているアンケート結果を見るときも,上記のような情報が掲載されているかどうかを確認することで,情報の信頼できる程度が変わってきます。ただし,標本調査の条件を満たしていない調査が無意味かといえば,そうとはいえません。全数調査ほどではないにしろ,大規模な標本調査では,それなりに費用,時間,労力がかかります。より簡便な方法で行われたアンケートは,信頼できる程度で劣る面はあるものの,少ない費用と労力で迅速に結果が得られるというよさがあります。大切なのは,自分が行った調査がどのような方法で行われたのかを正しく伝えたり,提示された調査結果の背景をきちんと読み取ったりしようとする態度を養い,標本調査の方法や結果を批判的に考察したり,表現したりできるようにすることです。長所短所全数調査調査結果の信頼性が高い費用,時間,労力がかかる標本調査費用,時間,労力を抑えられる調査結果に誤差が見込まれる