ブックタイトル小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩
- ページ
- 31/36
このページは 小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩 の電子ブックに掲載されている31ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩 の電子ブックに掲載されている31ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
小学校算数・中学校数学 「データの活用」指導の初歩の初歩
29てみます。この状態は,濃度がどの部分でも一様ですから,どこをとっても結果は同じであると考えることができます。すなわち,あることがらが起こる確率は,どこをとっても同じであるといえます。これを等確率であるといいます。要するに,標本の抽出においても,等確率でとる状態を作ることができればよいわけです。ここで,等確率であるのはどのようなものかが問題になります。一般的には,さいころや乱数さい,くじ引きなどが考えられています。乱数は,0から9までの10 個の数字を,まったく不規則に(それ以前の数から次の数が予測不可能である),しかも,どの数字も同じ110 の確率で現れるように並べた数列(乱数列)の各要素のことです。つまり,乱数は等確率で数字が現れるし,次の数が予測できない(恣意的でない)ものなのです。そこで,乱数を用いて母集団から母集団の部分集合である標本を抽出します。その手順は,一般的には次の通りです。① 母集団の個々の対象に番号を振る。② 乱数列を示している乱数表を用いる。パソコンで生成する疑似乱数を用いることが多い。③ 乱数表から得た乱数と同じ番号を①から抽出する。重複する数は省き,決めた個数の対象を抽出するまで続ける。この過程が無作為抽出の手順です。また,この過程を経て得られた標本を単純無作為標本(シンプルランダムサンプル),または単に無作為標本(ランダムサンプル)といいます。いるかが問題となります。「ある中学校の生徒」なのか,「ある地域内の中学生」なのか。さらに,「ある都道府県の…」,「全国の…」,「アジアの…」,「世界の…」というように,その対象を広げることはいくらでもできます。また,特定の学年だけなのか,他学年も含めてなのかによっても母集団が変わります。まずは自分が何について知りたいのかを考えて,それに応じて適切な母集団を規定することが大切です。3.無作為抽出のイメージよく例に出されるのが,カップに入っているスープの濃度を知るというものです。固形のスープの素にお湯を注いだ直後の状態を考えてください。その状態では,カップの上と下で濃度が大きく違います。混ぜていない状態だと,どこでとるかによって濃淡が現れるのです。このようなことが,先ほどの偏った抽出になります。正しい濃度を知るためにはどうしたよいでしょうか。そうです。かき混ぜればよいのです。よくかき混ぜた状態からでは,どの位置からとっても,一様の濃度を得ることができます。これが,無作為抽出です。4.無作為抽出の方法3で述べたカップの中のスープであれば,よくかき混ぜればよいということはわかりやすいでしょう。それでは,かき混ぜることができない母集団の場合はどのようにすればよいのでしょうか。ここで,かき混ぜた状態をもう一度考え