ブックタイトル小学校社会科 わたしの指導提案
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小学校社会科 わたしの指導提案
3年4年5年6年年間を通した見通しと振り返り● 埼玉県さいたま市立新和小学校校長 河野 秀樹● 愛知教育大学准教授 真島 子▲ 3 年P.147-148?? 3 年P.146▲ 3 年P.120 学習指導要領の改訂に伴い,第3学年の社会科の内容は,どのような点が変更されたのだろうか。(1)身近な地域や市の様子では,町探検の活動が縮小され,市に重点が置かれるようになった。また,都道府県における市の位置が追加されるとともに,市役所の働きを必ず取り上げることが明記された。(2)地域の生産や販売の仕事では,生産は地域の人々の生活との密接な関わりを,販売は売り上げを高めるよう工夫して行われていることを理解することが加わった。(3)安全を守る働きは,今回新たに3年生の学習内容に位置付けられ,火災と事故の取り上げ方に軽重をつけ,効果的に指導することが求められた。(4)市の様子の移り変わりは,これまで扱ってきた道具の移り変わりから,市の様子の移り変わりに内容が変更された。(1)身近な地域や市の様子では,都道府県内における市の位置,市の地形や土地利用,交通の広がり,市役所など主な公共施設の場所と働き,古くから残る建造物の分布などに着目しよう。「考え方」のポイントは,場所ごとの様子を比較したり,主な道路と工場の分布,主な駅と商店の分布など土地利用の様子と,交通などの社会的な条件や土地の高低などの地形条件を関連付けたりして,市内の様子は場所によって違いがあることを考え,文章で記述したり,白地図にまとめたりすることである。(2)地域の生産や販売の仕事では,生産については,仕事の種類や産地の分布,仕事の工程などに,販売については,消費者の願い,販売の仕方,他地域や外国との関わりなどに着目しよう。「考え方」のポイントは,生産の仕事の様子と地域の人々の生活を結び付けて関連を考えたり,販売の仕方と消費者の願いを関連付けて考えたり,文章や図表にまとめて説明したりすることである。(3)安全を守る働きでは,施設・設備などの配置,緊急時の備えや対応などに着目しよう。「考え方」のポイントは,地域社会の一員として協力できることを考えたり,自分の安全を守るために日頃から心掛けるべきことを選択・判断したり,それらを基に話し合うことで,地域社会の一員としての自覚を養うようにすることである。(4)市の様子の移り変わりでは,市町村合併の時期,交通の整備や公共施設の建設,人口の増減などの視点から市の様子が大きく変わったいくつかの時期に着目しよう。「考え方」のポイントは,市の人々や生活の様子について現在と比較して年表などにまとめたり,その変化の傾向を考えたり,将来どのような市になってほしいか,そのためには市民としてどのように行動すればよいかを考えたり,討論したりすることである。 第3学年を終えた子ども達の姿(到達イメージ)を見据えて授業を構想し,段階的に「見方・考え方」を働かせるように指導することが肝心である。(真島)第3学年社会科は,どこが新しくなったか?「見方・考え方」のポイントは何か? さいたま市は,平成13年に浦和市,大宮市,与野市が合併し,その後平成17年に岩槻市が加わって現在に至る。そこで,旧市に偏ることなく,オールさいたまとしての移り変わりを学習するように配慮しなければならない。また,交通や公共施設,土地利用などの視点に沿って毎時間調べていく学習ではなく,問題解決的な学習の中でそれらの視点を踏まえて追究・解決できるように,交通の変遷をもとに四つの時期に分けるようにした。明治初期の荒川や見沼通船を利用した舟運の時期,明治から大正にかけて現在の高崎線や東北本線の鉄道が敷かれた時期,昭和の高度成長期に国道や東北自動車道などが整備され自動車が利用されるようになった時期,さらに,さいたま新都心駅が開業し,さいたま市が誕生した現在である。 まず,導入では市の移り変わりを交通に着目して四つの時期に分けるとともに,それぞれの時期の人々の生活や道具についても着目させる。そのために,さいたま市立博物館では聞き取りや展示物の見学だけでなく,昔の道具や遊びの体験を行い,学習問題をつくるようにした。また,それぞれの時期を調べる際には,地図や写真を前の時期と見比べたり,絵グラフなどで示したりしながら,情報を的確に読み取るようにした。 これからの市の発展について考えることができるように,新たな学習問題をもとに学習する時間を2時間設定した。まず,市の現在の様子を学習する際には,市役所などが作成している大人向けの資料を分かりやすく整理して提示したり,市役所で働いている人から直接説明してもらったり,人口減少や少子高齢化,外国人居住者の増加などに触れたりしながら調べていく。そこで,自分たちが住むまちの今や未来には課題があることや,すでに様々な取組をしていることを知る。その際,市役所の働きには租税が重要な役割を果たしていることにも触れていく。 本単元で学習してきた,さいたま市の過去,現在を踏まえて,市の将来がどのようになってほしいか,そのためには市民としてどのような行動をしていけばよいか,多様な意見が交換されるように考えたり討論したりする活動を設定する。(河野)よりよい市の未来を考えるさいたま市のようすと くらしのうつりかわり 年表にまとめる際には,模造紙大の用紙に時期の区分を昭和や平成などの元号だけでなく,西暦や「今から◯年前」「お父さんやお母さんが子どもの頃」などと示し,これまで学習してきたことを年代順に整理していく。また,出来事や道具を書く短冊カードの色を変えたり,絵や写真を入れたり,表の上下を「市の出来事」と「くらしや道初めて年表を学ぶ問題解決的な学習を展開する大単元事例具」に分けたりして,出来上がった年表を見ながら学習問題について考え,グループや学級全体で話し合うようにした。第 3 学年の指導提案2 3