ブックタイトル図工・美術でゆたかなくらし
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図工・美術でゆたかなくらし
うな社会では、一人一人の児童が楽しさや豊かさの実感をもって生きていくことができる。」と解説されています。(2) そして実践へ… この後は、先ほど紹介したカリキュラム・マネジメントの要点(① 横断、② 内外、③ 時間)に沿って、図工・美術の「社会に開かれた教育課程」の実践や、座談会を通して実践者の考えを紹介します。 そこでは、実践したそれぞれの先生方の経験談や感じたこと、考えたことを丁寧に紹介するようにしました。ぜひ、単なる事例としてではなく、読者のみなさんがご自身の学校でどのように実践することができるのかを考えるきっかけにしていただければと思います。それぞれの事例で対象となっている学校種や学年も参考程度に考えていただいて結構です。またカリキュラム・マネジメントの要点は、実際の実践ではそれぞれが複合的に位置付いていることを前提にご覧ください。 なお、本書では子どもが関わる対象によって「生活」「地域」「社会」を規定しています。「生活」では子どもが日々関わる出来事全般を対象に、「地域」では組織や施設を対象に、「社会」ではより広い不特定な範囲を対象にしています。大泉義一 (横浜国立大学 准教授)1)『 溝上慎一の教育論 用語集』 http://smizok.net/education/subpages/aglo00013(curriculum_management).html2) 吉富芳正「『社会に開かれた教育課程』の意義と条件」『新教育課程ライブラリvol.11』、ぎょうせい、2016 年)にそれぞれ「生活や社会の中の形や色などと豊かに関わる資質・能力」、「生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力」が位置付いたのです。 ここまで来てお気付きのように、これらの教科目標を目指すことは、先に述べた「社会に開かれた教育課程」を実現することに他なりません。まさに、「はじめに」で紹介した子どもの問い「図工・美術ってなんのためにやるの?」に対する答えである「図工・美術でゆたかなくらし」を実践を通してつくりだすことなのです(図5)。図工・美術における「社会に開かれた教育課程」の実践(1) 大切なこと……“ 子どもの表現” からつくりだされる「ゆたかなくらし」 図工・美術の学習では、子どもの能動性や創造性の発揮が目指されます。そしてそこには“ 子どもの表現” が位置付いています。 「社会に開かれた教育課程」の実践においても、それを中心に据えたカリキュラム・マネジメントを心がけたいところです。それは、「子ども=学習者」が表現を通して材料などの「モノ」に実感をもってつながり、近くにいる「友人」や「教師」とつながり、やがては「家庭」や「地域」、そして「社会」へとつながりを広げていく……。子どもが「ゆたかなくらし」をつくりだしていく姿とは、そのように表現を通してつながっていく姿のことなのだと思います。新しい学習指導要領(解説・小学校図画工作)でも、「楽しく豊かな生活とは…(中略)… 図画工作科における児童の学習活動を始めとして、学校生活、家庭生活、社会生活へと広がりをもつものであり、そのよ図工・美術をつないで、ゆたかなくらしへここからは、先生方が実際に図工・美術の学びをつなげた実践をご紹介します。左ページでは具体的な事例を、右ページではお読みいただいた先生方がそれぞれの実態に合わせて計画を立てられる際のポイントを示しています。ポイントを参考にしていただきながら、子どもたちにどのような学びを提供できるのか、考える際のヒントにしてください。8 9