ブックタイトル図工・美術でゆたかなくらし

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概要

図工・美術でゆたかなくらし

他教科と小学校で教科をつなぐ─ 一枚の絵からはじまる─ 小学校の学習指導要領、その総則では、各教科等の関連について、教科等の固有の目標やねらいの実現を目指すと同時に、それぞれの目標、指導内容の関連を検討し、内容の重複、欠落のないように配慮する必要があると書かれています。また、合科的・関連的な指導については、教材や学習活動の関連性を具体的に確認し、指導内容が広がり過ぎて焦点が定まらないことのないようにし、課題選択の場、教科書の使用の仕方の工夫、指導に適した教材の作成が大切であると示されています。 そこで、一枚の絵から始まる、国語と図工を関連させた学習活動を考えました。国語の、事実と感想・意見を区別して書くという学習において、きっかけを何にするかということも意欲の向上のために重要になります。図工の鑑賞における、心を動かし、感じ取ったり考えたりしたという活動経験を基盤とすることで、自然と国語の学習の耕しになり、子どもたちにとって自然な流れでの学習を導くことになるのではないかと考えました。他教科との1 関連を考える指導の効果や意欲を高めるための関連3  子どもたちは、一枚の絵についてじっくりと鑑賞し、発見したことや感じたたことをたくさん挙げていきました。その言葉に対して教師が視点を与えることによって、事実と感想という区別をつけ、国語の「書く」の学習に生かしていきました。図工で鑑賞する時間をたっぷりとったことで、子どもたちも国語の書くための材料の耕しや、頭の中での整理が十分にできたこと、じっくりと鑑賞した絵をきっかけにしたことで、多くの子どもたちが文章を書く活動がスムーズに流れていったという成果が見られました。まずはいつもの教科の学びをつなぐことから始めてみてはいかがでしょうか。教科の学びの見方を少し変えるだけで、子どもたちの学びは大きく変わり始めます。 今回の授業では、アンリ・ルソーの「猿のいる熱帯林」を使い二つの教科の学習の関連を図っていきました。 ここでは、国語の「書くこと」の学習の「事実と感想、意見などを区別するとともに、必要に応じて絵の様子を簡単に書いたり詳しく書いたりする。」という目標を達成するために行われています。と同時に、図工の「表現の意図や特徴などについて感じ取ったり考えたり…」ということも学習をしています。すなわち、指導の効果を高めるために、合科的な指導を行っているということになります。2六年生の実践教科の目標やねらいを意識するやみくもに行えばよいということではなく、それぞれの教科の目標やねらいが達成できているかどうかが重要です。指導の時期を工夫する年間指導計画を照らし合わせると、指導の時期を入れ替えることで教科等の関連が図りやすくなることもあります。子どもは意識しなくても大丈夫子どもの側から見て「これは国語だ」「これは図工だ」と感じなくてもよいのです。活動を進めていく中で自然とそれぞれの資質・能力が身に付いていくような学習活動を展開できることが大切です。専科で指導している先生は、学級担任の先生と学習内容を交流していくと「国語の物語を書く学習と、図工の想像したことを基に表す活動をうまく関連させていけそうだ」などという発見があります。「チーム学校」とよく言われていますが、職員間の情報交流の機会を多くもつことで、子どもたちにとって必然性のある学びのストーリーが年間指導計画に反映され、それが学校の教育課程として位置付いていくでしょう。チーム学校としての情報交流学年チームで教科等の関連を図ったどんな活動ができそうか、年間指導計画や教科書などを基に、どの時期にどの題材を位置付け、関連を図った効果的な学習にできそうかという相談をしながら進めていくとよいでしょう。その学年を何度か経験したことのある先生に聞いてみると、「その時期にこれをもってきたら…」といったアドバイスも聞けますよ。10 11