ブックタイトル図工・美術でゆたかなくらし

ページ
16/42

このページは 図工・美術でゆたかなくらし の電子ブックに掲載されている16ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

図工・美術でゆたかなくらし

生活と「形や色」で町とつながる─ 商店街のアート・カードをつくろう─ 町の中にも「形」や「色」、「全体」や「部分」に注目して見ると、面白いもの、気になるものがたくさんあります。本校の校区にも「ブレーメン通り商店街」という商店街があり、彫刻作品、建物、地面、商店街を彩るものや模様、店の内容が分かるように意図された看板などさまざまな造形があります。それらのよさに子どもたちが気付くことができれば、より愛着をもつようになり、生活や町の造形と豊かに関わることができるようになるのではないかと考えました。生活の中にある1 造形3「もっと探したい」が愛着へ  見慣れている商店街だけに、見る角度を変えることで面白いものになっていくことを発見したときの喜びはとても大きいようでした。カードを見て「行ってみたい」「どこから見たの?」など、友だちの見方や感じ方を楽しんでいる子どももいました。また、写真の撮り方を工夫すると、普段見ていたものが面白いものに変わっていくことにも気付いていました。学習の後、「家の近所でも探してみたい」「こんなところにもアートがあったよ」と、町の見方が変わり、愛着がより深まったように感じています。子どもの日常生活の中のたくさんの造形。それを活用することは、学びを子どもの生活とつなげること。町を使った活動は、子どもの学びを社会に開きます。 今回はその商店街に行き、写真を撮ってアート・カードをつくる活動をしました。以前アート・カードで遊んだ経験から、それを自分たちの身近な場所にあるものでつくることは、より興味をもって、周りを見ることにつながると考えたからです。 事前に別の商店街の写真を見せ、「気になる」「不思議」「面白い」ものをみんなで話し合い、「形」「色」だけでなく、「アップ」「ルーズ」「角度」といった写真の撮り方での見え方の違いも伝え、ポイントを意識できるようにしました。 活動時間は十分にとりました。いろいろな見方を試したり、友だちと話し合ったりすることができるようにすると、初めはどこを見ればよいか迷っていた子どもたちも、自分のよいと感じるところを見付けることができたようです。 撮った写真は、大きく見ることができるタブレットを使って選びました。見付けたもののよさがより伝わるようにトリミングしてもよいこととし、一人一枚選んだものをラミネートしてカードにし、全員分まとめてグループ分つくり、『どこで見つけたかクイズ』や、似た「色」や「形」を繋げる『七並べ』などのアート・ゲームを行いました。2 アート・カードをつくり、遊ぶ町の施設を利用する際には、例えば商店街の理事長などに学習の趣旨を伝えておきしましょう。トラブルを防ぐだけでなく、教育課程を共有することにもなります。事前の許可をきちんととるICT機器を活用するデジタルカメラやタブレットなどを活用することで、子どもたちは目で見るのとは違った視点をもつことができます。状況が許すのであれば積極的に活用しましょう。サポート体制を検討する町での活動は子どもたちが散らばるため、学校の教員だけで目が届くのか、保護者にも協力していただくのか、学校内で確認しておきましょう。保護者の方にも学習のねらいを理解してもらうことが大切です。成果を協力者に報告する学習後のケアも大切です。理事長など相談した方には事後にも挨拶をし、活動の成果を見ていただくことで、教育課程への理解がさらに深まり、次からの協力体制にもつながります。ワークシートを活用する外での活動の際は、個別に声をかけきれない場合もあります。造形的な視点で見ることを忘れないように、ポイントを書いたワークシートなどを用意しておくとよいでしょう。14 15