ブックタイトル図工・美術でゆたかなくらし
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図工・美術でゆたかなくらし
生活と生活とつながる展示─ 学校を美術館に─ 生活空間が変われば、子どもたちの気持ちは変化します。殺風景な部屋にも一枚の絵があれば、空間に色彩が加わり思いが生まれ、人の心を豊かにするでしょう。行事や季節などの変化に合わせて、学校の生活空間に児童の作品を取り入れるとともに、地域に公開する場も設けるなど、さまざまな展示ができるように考えました。作品展示で 豊かな心に1子どもが表した作品をそのまま持ち帰らせるのではなく、少しの間だけでも展示してはいかがでしょうか。きっと子どもたちは興味をもって作品を見るでしょう。日常的に作品に触れることで、図工の学びと学校生活が自然とつながっていきます。展示空間が生活環境にもたらす変化材料や用具も展示できる学習用具や物を並べることも展示につながるということを意識させたいものです。図工室の物も形・色・大きさ・素材などにこだわって整理すれば、美しい展示空間となります。展覧会は地域と学校がつながる場展覧会を通して学校のことを保護者や地域の方々に知ってもらえるよう、学校や各学年の児童の個性やその力を結集した力が発揮されるような展示を心がけましょう。地域との交流地域の公共的な施設などに作品を展示したり、作品の説明をしたりすることで、製作活動の意味や価値を広く伝えることができます。美術館では、ワークショップが開催さることもあります。多様な人々が集まり関わる場では、新たな作品が創造されています。自らの作品展示から社会への参画へ展示が生活に身近なものとなって、造形的な見方や考え方が育まれることは、社会への関心につながります。それはやがて、子どもたちが社会に参画していくことへの一つのきっかけとなっていくに違いないと考えます。学校のさまざまな場所が展示空間となります。自分の作品にあった展示場所を見つけたり、思いが伝わりやすいように展示の仕方を工夫したりすることも大切です。 各教室の廊下に備えられた掲示板への展示のほかに、踊り場の隅、壁やフェンス、廊下の上部の空間を生かした展示をしました。また、学年ごとの取り組みの紹介や、行事に合わせた作品の展示のほかに、表現の過程を紹介する工夫を取り入れることで作品の魅力をより深く伝えられるようにしました。その際、学校の実態に合わせてテーマを考え、生活空間から、アートを身近なものとして感じてもらえるよう心がけました。 展覧会の工夫は保護者や地域の人に学校のことを知ってもらえるチャンスです。一年生では国語の教材の「くじらぐも」をテーマに展示しました。総勢137名をくじらぐもに乗せ、そこから子どもたちの大好きな四季の景色(絵画)を眺めさせることに。大きなくじらと見下ろす町は子どもたちの共同製作でした。一人ひとりに個性があり、その思いや感じ方は違います。それぞれの個性やその力を結集したエネルギッシュなパワーを見てもらいたいという思いから、このような展示空間をつくりました。2 いろいろな展示子どもの感性を高め、アートが身近になる3 「こんな作品をつくるんだね」。普段は見られない友だちの作品のよさに触れられる子どもがいました。異学年の展示を見ることを通して、過去の思い出を振り返ったり、今後の学習への関心を高めたりする子どももいます。また、作品を見てもらいたいと、保護者を学校に呼んで、頑張ってきたことや、友だちの作品の面白さを伝える子どももいます。さまざまな展示の場を用意することが、子どもの感性を高めることにつながるとともに、よりアートを身近なものとして親しむことにつなげられたと考えています。16 17