ブックタイトル図工・美術でゆたかなくらし

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概要

図工・美術でゆたかなくらし

地域と美術で地域に働きかける─ 地域との連携で、自尊心やコミュニケーション能力も高まる─ 本校は他地域からの転入家庭が多く、また子どもたちは通塾率の高さや習い事など、日々の多忙さから異年齢交流の場が少なく、コミュニケ―ション能力を育む場に課題を感じていました。美術科としても、限られた時間の中での作品制作は、とかく個人作業になりがちで、課題解決の一助となる機会が少ないことを懸念していました。 そんな中で2013 年に近隣の遺跡公園内にある「都筑民家園」よりお声がけいただき、園内の竹の間伐材を使ったワークショップ企画に参加しました。美術部の生徒が参加したのですが、大変有意義な活動でした。中学校なら美術部から始めてみては? 1生活や町の中に自分たちの作品がある喜び3  これらの取り組みを通して、生徒たちからは「生活や町の中に自分たちの作品があるのは、単純にうれしく、誇らしい」という意見が多く聞かれました。また地域での活動にはさまざまな年齢の人が関わることもあり、地域理解や愛着を深めることにつながるだけでなく、コミュニケーション力の向上や自尊心を高めることにもつなげることができる、地域で生きる子どもたちにとって大変有効な活動だと実感しています。地域とつながるのはハードルが高い。そんなときは美術部から始めてみてはいかがでしょうか。そこでの経験を授業に還元できればまずはOK です。 制作の中で、上級生が下級生に優しく声をかけて手伝う姿や、竹林クラブのボランティアさんと話し合って課題解決へ向かおうとする姿など、普段の部活動では見られない生徒の姿を目の当たりにしました。以降、毎年趣向を凝らし、隣の中学校の美術部や校区の小学校有志児童との混合グループでの活動など、異年齢交流による共同制作を夏休みに行なってきました。 同じ2013 年には「都筑マイプラザ」のイベント絵画を制作させていただいたり、2014 年、2016 年には、ヨコハマ市民まち普請事業として活動する「中川ルネッサンスプロジェクト」からのお声がけで、中川駅前に階段絵を制作させていただいたりしました。また、2017 年からは商用施設「港北minamo」のイベント装飾や周年行事アニメーションの制作を行なうなど、地域との関わりを通して普段は体験できない学びの場を提供していだくことができました。2地域の施設で、多くの人とつながる授業につなげる部活動で行ったことすべてを授業で行うのは難しいかもしれません。が、そこで得たことを授業で還元することはできます。今回紹介した中では、班による制作活動から得られることのエッセンスをアニメーション制作として取り入れ、コミュニケーションをとりながら活動する授業を行っています。思い切って相手にお任せする先方からお声がけいただいた場合、準備物などはお任せしてよいでしょう。必要なものは学校からも持参します。地域を盛り上げようと精力的に活動されていらっしゃる方との協力が大切です。学校にも了承を部活動とはいえ校外での学習ですので校内の手続きはきちんとしましょう。スムーズに許可をいただくには、日頃から活動に対して理解していただいていることが大切です。声をかけてもらえるには、交流が大切着任後すぐは校区のことはよく分からないので、学家地連やPTA、おやじの会など、地域連携の場に貪欲に顔を出し、交流を図るのもよいでしょう。職場体験学習でお世話になった事業所さんや盆踊りの地域パトロールの方など、つながれる人や組織は意外とありますよ。24 25