ブックタイトル図工・美術でゆたかなくらし
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図工・美術でゆたかなくらし
子どもの人生と幼稚園・保育園との連携─ 互いの資質・能力を高め、関係をつくる活動─ 横浜市では、市内の幼稚園・保育園と小学校をつなぐ学びの在り方の研究を始めています。本校でも、連携推進地区の指定を受け、研究主題を「豊かな人間関係を築き、豊かな心を育む幼・保・小連携の推進」とし、幼稚園・保育園における表現の領域と、小学校図画工作科の学びをつなぐ活動をデザインし、年間を通して交流する活動を平成28 年にスタートしていろいろな学年での交流を行っています。横浜市の推進する1幼保小連携幼保小の交流を通した学びを、造形活動を通して行うことの成果3 造形活動は、子どもにとって活動そのものが楽しく、自然に心が開放されていきます。人と関わることを通して、自分の思いを表現して伝えたり、友だちの思いを受け止めたりすることの大切さを味わい、形や色とたくさん触れることも加わって、心が一層豊かになったのではないでしょうか。実践としてもまだまだ少ない領域なので、今後の展望が楽しみです。子どもの学びは校種で分断されるものではありません。例えば幼児期の子どもたちの学びと小学校の子どもたちの学びをつなぐことは、より長いスパンで子どもの成長を考えることになります。 五年生と園児との交流では造形遊びを行っています。形や色で遊ぶのは園児も大好きなので、造形遊びはとても有効です。カラーコップを使った活動では、園児たちも思いのまま、使いたい色を決め、好きな場所に置いたり、並べたり、重ねたりしていました。 蛍光色を塗った割り箸を使った造形遊びも行いました。色付けされた割り箸は、園児にとっても魅力的な材料だったようで、好きな色を選び、うれしそうにたくさん抱えて教室に戻ってくる様子が多く見られました。 子どもたちは、園児のために「やってあげる」のではなく、園児の思いを大切にしながらも一緒に楽しみ、園児の思いを上手に受け止めて自らも資質・能力を発揮し、高め合うことができていたと思います。また、はじめは平面的に並べるだけだった園児が、五年生が立体的に組み合わせる様子を見て、真似をするなど、一緒に活動する中でつくる形にも変化が見られました。 一年生との交流では、園児と一緒に、大きな紙に自分の好きなものをかく「好きなものカタログをつくろう」という活動をしました。完成した大きな絵は、子どもの好きなものが満載のカタログです。その後、全体を半分に分けて、お店屋さんとお客さんになり、お店屋さんごっこをして遊びました。そこでは「いらっしゃい!」「これください」といった子どもの元気なやり取りが見られました。2造形活動交流の実際入学後の事も考える例えば五年生と交流を行うと、園児が入学したときに一・六年生というペア学年になります。子どもたちのその後の生活のことも考えて交流することが大切です。園児、児童ともに意味のある活動にする双方の教育課程にとって意味のある活動になることは大切です。造形遊びは、小学生が園児のために「やってあげる」のではなく、園児の思いを大切にしながらも、一緒に楽しみ、資質・能力を高めることができます。また、園児にとっても年上の子どもの発想から、新しい造形的な見方が広がります。同じように経験している活動にする園児と一年生での活動では、お店屋さんごっこでのやり取りなどが自然に生まれました。それぞれで同じような経験をしている効果だと考えます。成果物を掲示する活動中の写真や、一緒につくった作品を学校に掲示しておくと、入学後の子どもたちもそのときのことを思い出し安心することができます。32 33