ブックタイトル図工・美術でゆたかなくらし

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概要

図工・美術でゆたかなくらし

子どもの人生と将来の姿を思い描く─ 「表そう! 未来の自分!」─ 小学校卒業を前にした子どもたちは、卒業アルバムの文集づくりや、保護者に向けた感謝の会、そして卒業式の準備などを通して、将来の自分を考えることが多くなります。そこで、形や色を使って表現する図工の活動を通して「なりたい自分」の姿を想像し、表現する活動を行うことにしました。小学校生活最後の絵に表す活動であり、これまで学習してきた表現方法などを活用し「未来の自分」をイメージして表す活動です。卒業を控えた1 子どもたち「なりたい自分」や「夢」をもって3 人生を歩んでほしい  「学校の先生になりたい」という将来を想像していた子どもが、絵に表すことを通して「信頼されるってどういうことかな」「子どもが笑顔でいるってことかな」「教室はきっと明るい雰囲気だよね」と考えるようになりました。形や色を通して、より具体的に将来の自分の生き方を考えることができました。 私は、よりよい人生を築くためには、「なりたい自分」を具体的にイメージし、試行錯誤し、実現していくことが大切であると考えています。子どもたちにはこれからも、「なりたい自分」や「夢」をもって人生を歩んでほしいと思っています。子どもたちがそれぞれの人生を豊かなものとして歩んでほしいというのは、私たち教師みんなの願いではないでしょうか。そのために、図工や美術ではどのようなことができるでしょうか。 文集づくりを通して、「未来の自分」の姿を想像し文章で表す中で、「みんなの未来の姿を絵で表そう」と投げかけました。「未来の自分」についての思いを巡らせ十分に考えていたため、表したいことをすぐに見付けることができました。 大切にしたことは、「将来就きたい職業」ではなく、「なりたい自分」を考えるようにしたことです。職業に就くことがゴールではなく、仕事を通してよりよい自分をつくることが幸せな人生を歩むことにつながると伝えたかったからです。例えば「プロ野球選手になりたい」と思っている子どもには、「どのような選手になりたいのかな」と考えるように投げかけました。すると「みんなから応援される選手になりたい」という答えが返ってきました。 その上で、アイデアスケッチをし、美術作品や写真、友だちの表現などを見ながら、表し方を考えていきました。そして画用紙いっぱいに絵の具などを使って「未来の自分」を表現しました。子どもたちは、表したいことが自分そのものであったことで、これまでよりも細部にこだわり、構図や彩色の工夫を凝らした表現活動を行うことができたようです。2活動内容の紹介他教科と関連付ける今回は、国語の授業での文集づくりと関連付けました。「未来の自分」を十分に考えていたことで、ほとんどの子どもがすぐに表したいことを見付けることができ、表現を追求する時間の確保にもつながりました。アイデアスケッチをする考えた「未来の自分」を形や色でどのように表せばよいのかをじっくりと考えるには、アイデアスケッチも有効です。これまでの学びと関連付けるこれまでに学んだことを振り返り、本活動で生かせそうなことを考えられるようにしましょう。これまでの活動で工夫したことを、写真などを使って振り返るのもよいでしょう。友だちと話し合うことも大切に友だちと鑑賞し合う時間も大切です。自分がこだわりをもって表したことで友だちの工夫にも気が付き、自分の表現に生かすことができます。あくまでも「なりたい自分」を考える職業だけではなく、仕事を通してよりよい自分になる、ということが幸せな人生につながるのだと思います。このことは常に確認するようにしましょう。子どもたちが将来、今の気持ちを思い出すことができるように「 未来の自分」を、将来見ることができるように、かいた絵をポストカードにして成人式を迎えた子どもたちに送ることを考えています。絵がタイムカプセルのようなものになるとうれしいです。34 35