ブックタイトル形 forme 302号
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形 forme 302号
アートツール・キャラバンとはアートツール・キャラバンは、「あそぶプログラム」と「つくりだすプログラム」から構成される造形ワークショップです。前者には、子どもが全身の感覚を働かせて遊ぶことを促す「アートツール」という装置群が設置されています。それらは、指導者や教師から「?しなさい」「?してみよう」というような言葉による〝投げかけ?がなくても、子どもたちが自然に遊びたくなるように設計されています。そしてその遊びを通して子どもたちの創造心が沸き起こり、自分の実感に自信をもった能動的で協働的な表現を生み出す後者のプログラムへと発展していくのです。そしてアートツール・キャラバンとは、以上のプログラムを携え、子どものいる様々な場所(公園、商業施設、美術館、学校、災害避難所など)を巡回実践するプロジェクトです。なお、このプロジェクトの母体は、〈子ども―教育―アート〉に関心をよせる学生、教師、地域人、研究者で構成されている横浜国立大学のAEゼミ(ArtEducationSeminar)のメンバーです。川崎市市民ミュージアムとの連携アートツール・キャラバンを川崎市市民ミュージアムで実践するようになって今年で三年目です。実践にあたっては、既存のプログラムを提供するだけでなく、美術館の常設展・企画展との連動・関連、美術館空間の積極的活用など、美術館と大学の連携の探究を志向しています。そうした考えは企画書としてまとめられ、メンバーが学芸員の方々の前でプレゼンを行い話し合いを重ねることで美術館との創発的な開発を行っています。また市内学校の児童生徒作品展「創造する子ども展」、ならびに「教職員美術展」の開催と連動させることにより、川崎市の学校教育組織と美術館の連携をも実現しています。自分の感じていることに自信をもつ昨今の子どもたちは、例えば〝KY?という言葉に象徴されるように、自分の感じていることを抑制して生活することが強いられているように感じます。そう「つくりだす」場所でつくりだされているもの特集つくりだすphoto: Tada(YUKAI)子どもたちがつくりだす行為はただ単につくることでは終わらない。それは時間と場所を共有しながら新たな関係性をもつくりだす。横浜国立大学の大泉義一先生が長年取り組んでいる「アートツール・キャラバン」ではそのように「つくりだす」意味が拡張していく。昨年十二月に行われた川崎市市民ミュージアムでの実践をもとにご本人に活動のねらいを語っていただいた。1207 | 302 | forme