ブックタイトル形 forme No.303 教科書特集号

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概要

形 forme No.303 教科書特集号

はじめに「これで、何をつくるの?」子どもは材料に対して意欲的に関わろうとしますが、普段あまり登場しないものには、また特段の興味を示すものです。今回は、日常生活では身近にあるものの、材料としてはあまりお目見えしないミラー(鏡)を使用する作品づくりに取り組んでみました。材料の特徴を生かし自分の思いを表現するミラーとの出合いまず始めに、子どもたちにA4サイズのミラーシートを渡します。手にした途端に自分や友だちの顔、持ち物や教室の中を映しては「うわ~、見えた、見えた!」と大はしゃぎ。また、プラスチックの素材なので容易に曲げることもできます。子どもたちは自分の顔を縦長や横長に映してみて変顔づくり(?)に精を出したり、ミラーを顔に近付けて向こう側を覗き込み、どれだけ遠くまで映っているかを確かめたりして、ミラーと触れ合いながらその特徴を理解していきました。ミラーは決して珍しくありませんが、手前側と無限に広がる向こう側という異次元の世界を覗くことのできる、魅力的で妖しいものなのかもしれません。映り方を試すいきなりミラーを渡されて「作品をつくりましょう」では、少なからず戸惑いがあります。そこで子どもたちには、画用紙を丸や四角に切ったパーツをミラーに映して見せ、映り方のパターンをいくつか例示しました。例えばミラーが一枚の場合、一つの丸いパーツは二つに、半円形のパーツの直線部分をミラーに付ければ全円に見えます。ミラーを二枚用いる場合は、ミラーを直角に合わせて映すとパーツが四つに、先ほどの半円形のパーツは全円が二つに見えることになります。更に子どもたちには、自分で自由な形のパーツをつくり、実際に操作しながら映り方を理解させることにしました。初めのうちは単純に一つのパーツが二つに増えることを喜んでいましたが、パーツをミラーに貼り付けることで空中に浮かんでいるように見せたり、ミラー二枚を合わせる角度を狭くしてパーツがたくさんあるように映してみたりするなど、次々にアイデアを考え出して映り方のパターンを増やしていきました。このようなお試しを繰り返し、友だちとアイデアや工夫点を交流する機会を授業の折々に設定することで、映り方への理解を深め、更に発想を広げていきました。トリックを仕掛ける様々にお試しをした中から作品に使用するアイデアを選び、簡単に画用紙でパーツをつくり、ミラーへの映り具合を確認しておきます。次に、ミラーシートを波打たせたり汚したりしないよう丁寧に段ボールでつくった台紙へ貼り付けます。その後、色画用紙、紙粘土、絵の具などの材料を使ってつくっていきます。このような材料を使用することで、形だけではなく、着色によっても様々なトリックを仕掛けられるようになります。例えば、手前のものと異なるものがミラーに映るように見えるパターンがあります。人間をつくった場合、ミラーに映る前面の服を赤色に着色します。すると、ミラー内の人間の服も赤色となります。ところがミラーに映らない背面を青色にすると、びっくり!トリックワールドミラーシートを使って兵庫県芦屋市立岩園小学校石井真里授業実践学びのフロンティア小学校5・6年向きforme | 303 | 16