ブックタイトル形 forme 304号
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形 forme 304号
の作品をこの視点で見てくれるかもしれない。「こんなうまくかかせられない」と言うのではなくて、「この子はくるくるを楽しんでいる」という視点で見てくれる。鷹野先生の方が実はターゲットでもあって。教材を探す時、子どもたちの考えを深めるものか、工夫を引き出すものかという視点になる、そこを目指したいね。奥村影のねらいですね。鷹野先生の好き嫌いも語られなくなりました。保護者からの「先生の好みで評価していますよね」という声を聞いたことがあります。もし作品の出来映えに評価の力点が置かれるとそういう不安が生まれますが、カードを使うことで、過程や活動の最中に起こることに教師も保護者も目がいくようになったかなと。奥村子どもの姿が評価の根拠になりましたね。キャリアが長い先生と二年目の先生とでは、視点がいつのまにか離れてしまいます。そうすると説教になる。これが正しいやり方なんだと。それをぐっと縮めてくれるような気がしますね。評価規準というベースがあってできたカードですが、授業改善や子どもと先生とのつながりなど、いろいろな効果がありますね。新しい自分と出会う教科奥村何も分からないスタートと仰ってましたが、今はどんなことが楽しいですか?市川一人ひとりの個性がすごく際立つのが面白いですね。今回の題材で言えば、例えばこの子はすごく明るくて、いつもにこにこしている子なんです。だれとでも仲よく楽しそうにしていて。でも、どんな気持ちをかいたのか聞いたら、暗い気持ちをかいて、もやもや、ぐちゃぐちゃしたのが明るい心とぶつかっていると答えました。暗い何かが心の奥にあるんだと気付きました。(九ページ上から二つ目の作品)奥村子どもにとっても個性が出るし、先生にとってもその子のことが新たに分かるということですね。そうか、絵を通して成長が分かるんだ!赤い部分が下だと普通ですよね、赤い海みたいで。市川そうですね、最初はここは地面みたいにすると言っていました。奥村なんでひっくり返したのかな?市川題名をつける時に自分がこうだと思うところを探して、回したり切ったりしてもよいんだよと話したら、この子は逆の方が合っていたようですね。鷹野確かに不安定な感じがするね。市川真ん中を一番かきこんだんですけど、それを同じ班の子が、ここからすごくどろどろした感じが伝わってくると言ったんです。本人は恥ずかしいけれど、見つけてくれてうれしいって。鷹野先に鑑賞をして、心の中を表せるんだという感激を感じたのかな。この題材で作品に出会って、新しい自分が出てきたということだね。そんな学習ができた。そう思うと題材って大事。市川作品をいろいろ見ることができるのが楽しいし、それを真似するんじゃなくて、自分の思いに変換する。やりたいと思うことをどんどんやっている姿を見るのはすごく楽しいです。「先生、こうやったんだよ」とか。そういう子どもを見ていると、図画工作っていいなぁ、と思います。楽しんで自分の考えを表すよさというか……。奥村子どもの新しいところに出会える教科ってなかなかないよ。市川これからも新しい発見をしていきたいです。点でかいたり線でかいたり、1枚の絵の中でいろいろな工夫がされている特集11 | 304 | forme