ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

形 forme 304号

切だよ」と先生が付け加えます。カードにも書いてある「思いに合わせて」を意識させる一言です。「前回は鑑賞した後の気持ちを言葉にしたね。キラキラとかざわざわとか。鑑賞した自分の心の中はどんな形や色かな。それを表してみましょう」。用具は筆と絵の具を使います。風景のようにかいたり、線や点などの形でかいたりと、表し方や絵の雰囲気がさまざまなのは、それぞれが自分の思いに合わせて表しているからでしょう。市川先生は一人ひとりに「どんな思いを表したの?」と声をかけます。思いに合わせて考えたことや工夫したことを引き出そうという姿勢が伝わってきます。ある子どもが画用紙の端に三角形の切り込みを入れたのを見つけると、先生は「ちょっと切ったんだ。工夫したね」と、考えて工夫する過程を見逃さず声をかけます。迷っている子どももいます。けれど、最初に確認した四つの力の言葉に戻り「もう少し見つめてみる」と言ってまた自分で考え始めました。自分の思いを見つめて、形や色を探る子どもの姿が見られました。最後は全員で鑑賞です。ある作品について「明るいところと暗いところがはっきり分かれている」との感想が出たのを受けて、市川先生は「実は『さみしい気持ちと明るい気持ち』というタイトルです。自分の気持ちを自分の形と色で表せているね」とまとめました。四つの力を発揮しながら取り組んで、自分や友だちの今までは見えなかった気持ちに、形や色を通して出会えたことでしょう。photo: Takehiro Goto05 | 304 | forme