ブックタイトル形 forme 304号
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形 forme 304号
図画工作・美術で育てる「四つの力」奥村山梨県では、図画工作・美術の資質や能力を、子どもに分かる言葉にして、授業の最初に示すという取り組みをされています。今日はこの工夫を取り入れた、市川先生の授業を拝見しました。鷹野市川先生は二年目だから、新採用研修が終わったところですね。去年は図画工作の授業はもっていたのですか?市川もっていましたが、図画工作について学ぶ機会は、研修が夏に一回あったくらいです。去年五年生を担任して、今年はもちあがって六年生の担任です。鷹野そのような状況で、若い先生は図画工作の授業をどうつくっていたのですか?何を頼りにしているのかな?市川一年目は何をどうしたらよいか本当に分からなくて。学年の先生から何をやるのかは聞きますが、実際子どもにどういう声かけをしたらよいか、子どものやる気をどのように引き出したらよいかは分からないまま一年が過ぎてしまったという感じです。子どもが迷っている時に、どうすればよいか、教える側の私も分かっていないのでゴールが見えない。「こういう工夫もあるよね」などと言っていましたが、それがその子どもにとってよいのかは分かりませんでした。奥村教科書や同僚の先生方がとりあえずの手がかりだけど、さてどうやって進めるかは分からないまま一年が過ぎてしまった。そして今年から“四つの力”の工夫を取り入れたということですね。まずはこの工夫がどんなものか、教えてください。鷹野山梨県の先生方で、図画工作・美術で育てる資質や能力である【造形への関心・意欲・態度】【発想や構想の能力】【創造的な技能】【鑑賞の能力】の四つを子どもたちにも分かる言葉にして、カードにしました。「図画工作・美術で働かせる“四つの力”」と呼んでいます。これを授業の最初に黒板に掲げることで、子どもたちと共有しようという考えです。奥村取り組みのきっかけは何でしょうか?鷹野県で評価規準づくりに取り組んだ時、「より積極的に」や「より意欲的に」など、言葉のニュアンスの世界にいつの間にか入り込んでしまって。反対に、もっと大きな視点に立って図画工作・美術の学びを一言で言ったらどうなるかを考えてみたくなったんです。そうすれば「図画工作・美術は楽しいんだけど、いったいどんな力を育てているの?」という教科に向けられた疑問の答えにもなるのではと考えました。そして専門用語でなく、子どもにも分かるようにと、県の研究指定校の先生方とともに、この“四つの力”のカードに書かれた言葉にたどりつきました。市川実際子どもたちはよく覚えていて、とても言いたがります。鷹野その姿がよいよね。黒板に貼ろうとすると先に言っちゃう。奥村大人に寄せて考えると《思いに合わせて考えよう》というのは、思考・判断や論理、《工夫しよう》は技法や技術開発などと言えますね。先生と子どもをつなぎつつ、図画工作で育てる力は何かということを評価の観点から研究してもらっていたんですよね。鷹野国の授業改善の調査書みたいなものはあるけど、小学校の先生はとても全教科分をきっちりとは見られない。そこでまずはこれを貼りましょうと。奥村授業改善のツールということですね。市川先生が使ってみての具体的な変化をお聞きしたいです。市川声かけのきっかけになりました。「どんな思いでやってみたの」や「どんな工夫をしたの」など、カードにある言forme | 304 | 08