ブックタイトル形 forme 306号
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形 forme 306号
絵がうまくなった、だけでなく、学ぶものを実感し自覚する昨年、三年生の最後の授業で、美術の授業でどのような力が身についたと思うか、生徒に聞いてみました。多かったのが「想像力」「表現力」「工夫する力」「考える力」など。これはつまり、発想や構想の能力に関連した力で、それが過半数でした。例えばある生徒の回答は「ひとつの物事を見るときに、たくさんの見方ができるような力が身についた。また、想像力がとても豊富になり、それを日常生活や学習でも生かすことができた」。美術の授業は楽しかった、絵がうまくなった、ということだけではなく、想像力が身についたなど、美術を通して学ぶものを実感し自覚できる生徒が増えてきたのではないかと思います。なぜつくるのか、どうやってつくるのか、この形や色は何を表そうとしているのか、などを生徒に問いかけ続け、あくまで生徒自身の意思で主体的に考えて自己決定することを授業の柱にしてきた成果かな、と思います。大人が考える美の規準に照らして作品の完成度を高める指導も必要かもしれませんが、私は生徒が自分の意思で価値を見いだせるように指導することを基本にしています。ある生徒に言われました。「美術の授業ではとにかく考え続けた……」私が授業を通して伝えたいことは何なのか?改めて考え、生徒にこう伝えました。「学校の学習活動で、いろんな人と協力して、新しいものをつくりあげ、新しい価値を見つけ出すことの素晴らしさを実感するには美術の授業しかない。将来どんな道に進んだとしても、表現したり、鑑賞したりすることを続けてほしい」中学校美術で何を学んだのか、自分の生き方のどんな糧になるのか。卒業していく生徒たちに伝えることが大切だと考えました。2・3下掲載「あなたへ?中学校美術からの巣立ち?」forme | 306 | 10