ブックタイトル形 forme 306号
- ページ
- 5/28
このページは 形 forme 306号 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 形 forme 306号 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
形 forme 306号
新しいものを生み出していく発想こそが大切「中学校三年間の美術、一一五時間。この三年間をもって、全員が美術の授業を受けられるのは人生で最後となります」。一年生の最初の美術の授業で、私が語っていることです。逆に私に課せられているのは、生徒たちが中学校を卒業するころ、「美術」にどういったスタンスで向き合う人間になっているか、ということを常に意識しながら授業に臨むことです。大人になって、制作を続けていく生徒はごく少数です。しかし私の思いは、美術とは一部の人々にのみ存在するものではなく、誰もが日常生活で、ちょっとした美術の感覚を働かせることで、より豊かな人生を送るために欠かせないスパイスのようなもの、ということです。そのような意味で、自分の筆入れを選ぶことがすでに美術の始まりである、ということから、一年生の最初の授業をスタートします。三年生では、デザインを一新して地域を活性化しようというプロジェクト型の学習も行っています。「ものづくり」から「ことづくり」という言葉があるように、技術の有無にかかわらず、新しいものを生み出していく発想、アイデアこそが大切、ということを強調しています。三年生の最後の授業で感想を書いてもらいますが、「身の回りのコマーシャルやポスターに目がいくようになりました」「自分のこだわりのものを見つけていきたいです」「発想力を生かして働きたいです」などの言葉に励まされ、新たな授業に取り組むエネルギーをもらっています。特集中学校三年間の美術で伝えたいこと2・3下「魅力が伝わるパッケージ」掲載の生徒作品。生徒が提案した包装紙が、実際に地域の商店で使われた例を取り上げています。身近にある、デザインのはたらきを実感するきっかけに05 | 306 | forme