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概要

形 forme 307号

はじめに美術の授業では、一年生の初めに、人と「違う」ことは「素晴らしい・素敵なこと」と伝えています。入学当初「図工苦手やねん……」という声を聞くと、三年間で「めちゃくちゃ美術を好きになった」と言ってもらいたいという思いが強くなります。週一回の美術の授業ですから、毎回美術室にくるのが楽しみでしょうがないと感じてもらえる授業にしたいと考えて取り組んでいます。あとは生徒が「ドン!」それぞれの制作課題に入るとき、ポイント整理をして、あとは生徒が「ドン!」といった感じで動き出すことができる、いかにひらめくような授業ができるかを工夫しています。ある作家の「すごくよい線が引けると、まわりの白まで輝く」という言葉を本で見ました。自分の個性が他人の個性をも輝かせてしまう。それぞれが輝くことで共鳴するような感性を磨いてほしい、そしてそんな授業や教材を考えたいと思っていました。形になったとき憧れるデザイン雑誌を教材に使うことにしたのは、今まで取り組んでいた「絵本」や「ポスター」といった視覚効果に働きかける授業が、少し「やさしい」のではないか、生徒に作用する感覚には「弱い」のではないかと感じ、もっと身近なものはないかとの考えからでした。より生徒に身近なもので、より表現の幅が広がるような自由度の高いものがいい。そして社会と接点のあるもの。さらに、制作した作品が社会にでるときの媒体として、雑誌は生徒にとって魅力ではないかと思ったからです。もちろん、世の中には、目を引くような雑誌が多くなったと自分自身が感じたことも大きな要因です。生徒には「え?中学生がつくったの?」と思ってもらえるものをと提案し、近隣の書店に交渉して「店頭に置いてもらう※」と伝え、それらを目標に制作していくことで、形になったものが実際に社会にでることや、そのデザインを手にとった人に「憧れ」をもってもらえる可能性を含んでいるという前提で進めていきました。自分の中学校の「雑誌」表紙があり、クラスのページがあり、校長先生のページがあり、給食学校を雑誌にしてみたい!タブレットパソコンで共同編集室大阪府茨木市立北陵中学校長谷川淳次授業実践学びのフロンティア中学校向き※フリーペーパー形式で販売はせず、店頭での閲覧のみ。手にとってくれた方に感想を書いてもらえるようにして置いてもらう。forme | 307 | 18