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概要

形 forme 307号

第3章デジタル教材としてのタブレットルーヴル?DNPミュージアムラボ(以下LDML)では第一回展から六回展まで、展示テーマに合わせ「デジタルペンで何度でもやり直しができる油彩」や「文様デザインツールを使ったお皿のデザイン」などマルチメディアを利用したいくつかの実験的なワークショップツールを開発してきました。七回展からはタブレット端末にツールを絞って開発しました。美術の授業として利用されることを想定し、中学校二、三年の学習指導要領も考慮しながら、ワークショップのテーマを設定し、二〇一一年より中学校での実践を中心に約二十回の実証を行いました。テーマ1主題:何を表現したかったのか、何が表現されているか、日本美術、西洋美術の美の概念に関する気付きを与える。描かれた作品を些細な点まで観察し、分析、考察することを通して、これまであまりなじみのなかった作品でも、作品の文脈を推理し、想像を広げていく力を養う。テーマ2造形:日本美術と西洋美術を比較しながら鑑賞し、それらの造形的な特徴に焦点をあてて分析してみることで、表現の違いに気付きを与える。人物表現から空間表現へと順を追って推論をすすめることで、両者の大切にしているもの、もののとらえ方考え方の違いなどを感じとっていく。テーマ3展示:ルーヴル美術館の美術品を、学校という子どもたちに親和性の高い空間にAR(拡張現実)技術を用いて展示する。美術作品を身近な空間と結び付けて意味を読み取る体験を通して、作品に対する新たな気付きを引き出す。今回の試みは、タブレットを主軸にICTの鑑賞へのサポートが、いかに個人とグループの「気付き」を引き出すことができるかの検証でもあります。導入にあたっては、作品の拡大や補助線描画などの機能とともに、作品を自由に並び替えることができるアート・カード型のアプリケーションと、タブレットのカメラ機能で所定のマークを撮影すると、そこに選択した作品が実物大で表示されるARアプリケーションの二種類のツールを開発しました。ファシリテーションは、標準シナリオをベースに、授業を実践される先生方それぞれのアレンジで多様な展開が可能になります。鑑賞の授業という観点から中学生のタブレットに対する順応性は驚くほど高く、先生が使い方の説明を終鑑賞の形久永一郎大日本印刷株式会社C&I事業部コンサルティング本部IM&Sコンサルティング室室長原瀬裕孝株式会社DNPアートコミュニケーションズ事業企画部部長LOUVRE - DNPNo.3forme | 307 | 20