ブックタイトル形 forme 308号
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形 forme 308号
はブロードウェイに輝く電飾でしょうか。限られた色の反復はもちろんブギウギのリズムでしょう。けれどこれらの情報は、この絵を見たときの「明るい感じ」「楽しい感じ」をもう一段深くするのに充分でしょうか?背景の知識は、むしろ目のしびれを加速しかねません。「感じ」の袋小路を、いかに回避するか。そして、いかに見る時間を持続させるか。ここに知恵を働かせる余地がありそうです。この絵のダイゴミは、やはり画家がほれたブギウギと、色と形のリズムのシンクロ具合です。ならばいっそ、この絵を見ながらブギウギを鳴らしてみるのはどうでしょう。手拍子とステップを加えればいっそう愉快。歌詞もつけましょう。「ブロードウェイ・ブギウギリズムウキウキ心ズキズキワクワク……」いやこれは「東京ブギウギ」からの拝借ですが、そもそも、リズムや響きの組合せが何より大切な歌詞などの韻文は、相性が抜群で当然。美術館でも、ほんとは歌ったり踊ったり呑んだりしながら見ればきっとわかりやすくなることでしょう。つまり、アナロジー(類推)をつなげて微弱な「感じ」を増幅させたわけです。左の図は、詩人の新国誠一によるこの方法の実践例。新国は、「触る」という感覚のニュアンスを、文字のレイアウトによって増幅させました。さあみなさんもやってみましょう。俳句はどんな形で、盆踊りはどんな色でしょう?成相肇なりあい・はじめ東京ステーションギャラリー学芸員。一九七九年生まれ。府中市美術館学芸員を経て、二〇一二年から現職。主な企画展に「石子順造的世界」、「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン」など。触る1972新国誠一[1925 ? 77]17 | 308 | forme