ブックタイトル形 forme 308号
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形 forme 308号
というタイトルで卒論にまとめました。モチーフで言うと、やはり花鳥風月が多いです。特に植物のモチーフが多く、なかでも梅と桜と菊は代表的です。動物ですと、慶事に欠かせない鶴や亀、歌に詠まれた雁や千鳥などがよく見られました。―表し方の特徴はありますか。中山表現はお店によっていろいろあって、モチーフの何を強調するか、何を表現したいかによっても違います。例えば桜ですと、花の全体的なイメージか、花一輪の美しさなのかなど。また、適度に造形を省略し、洗練された美を考えます。例えば蛍が写実的だとちょっと食べにくいですよね。品があって、おいしそうに見えることは大切です。京都と江戸、今でいえば京都と東京での表現の違いもあります。朝顔のお菓子を例にとると、東京では花の形が一目でわかるようにつくり、露やつる、葉などを添えることがあります。一方、京都では円い形に花の色を思わせるぼかしを入れるなど、抽象的な意匠を好む傾向があります。見立ての面白さ―表現の具象的、抽象的の違いは、使い分けなどするのでしょうか。中山具象的、抽象的と言っても、食べるときには「これは抽象的だ」と意「遠桜」「岩根のつつじ」「初秋」「花の王」元禄8年(1695)の『御菓子之畫圖』感覚を凝縮して特集09 | 308 | forme