ブックタイトル形 forme 309号
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形 forme 309号
はじめに古河市内の小・中学校で、図画工作・美術科にかかわる教師(有志)を中心に「先生たちの美術展」を開催しています。参加する教員は、自身の作品展示だけでなく、様々な美術教育のプログラムの開発に取り組みます。私は、プロジェクトのうち「こどもワークショップ」の担当をしています。今回のテーマは「○○に住む妖怪をつくろう」と企画会で決定しました。このテーマに沿って、担任する三年生で妖怪づくりの題材を開発しました。この題材の実践を通して、教室と美術館をつなぐ手だてというものを考えてみたいと思います。授業実践場所からイメージを広げていつも遊んでいる校庭に妖怪が住んでいたら……。はじめに、二?四人のグループで一台のダブレットを持ち、妖怪がいそうな場所を探して写真を撮影しました。子どもたちからは、「ねえ、あっちの木にもいそうだよ」「行ってみよう」「ここは?」など意欲的に取り組む声が聞こえてきました。身近な場所を、視点を変えて見る楽しさも味わえたようです。木の根っこや花壇、樹木の枝分かれした部分、旗を掲げるポールのてっぺん、遊具など様々な場所をクローズアップして撮影していました。また、誰も使用していないブランコを友人にゆらしてもらい、そのゆれた瞬間を撮影し、あたかも妖怪がブランコで遊んでいるかのように撮影しているグループもありました。妖怪が住んでいそうな場所からイメージを広げ、その世界に浸ることができました。材料からイメージを広げて次に、子どもたちは、木切れやどんぐり、松ぼっくりなどを手にとり、その形や色、感触に親しみながら組み合わせ、つくりたい形を見付けていきました。はじめのイメージをもつためのポイントとして、材料を「合わせて見る」「つなげて見る」「重ねて見る」ことと、校庭の「どこで」「何をしている」妖怪かということの二つを提示しました。子どもたちは、場所と材料から表したいことを思い付き、さらに接着・接合するための用具を多様に用意したことで、つなげ方を選んだり、試したり、新たな方法を考えたりしながら思いに合った妖怪を工夫してつくっていきました。「これを使うといいよ」と友人に助言されたり、「ここ押さえてて」と協力してもらったりする声も聞こえてきました。なかなか立たない妖怪に、足を新たに付け足す、武器やペットを持たせる、家族を増やすなど、どんどん思いを広げて製作している様子も見られました。最後は、完成した妖怪を住む場所に配置して鑑賞し合いました。みんな満面の笑みで「見て見て」と言っ校庭の〇〇に住むようかい茨城県古河市立八俣小学校中村史佳授業実践学びのフロンティア小学校3・4年向き題材を通して教室と美術館をつなぐforme | 309 | 16