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概要

形 forme 309号

桐山北村さんは動物園のデザイナーということですが、どのようなお仕事をされているのですか。北村私は井の頭自然文化園の教育普及係に籍を置いています。イベントや講演会のチラシやポスターの製作、園内の標識やグッズのデザイン、資料館で行われる特設展では展示方法やディスプレイを考えることもします。通常の動物舎のサインや解説に関しては飼育係からの相談を受けて一緒に考えます。最近は作家さんや近隣のお店などと共同で活動することもあるんですが、その時のやり取りもしますね。桐山一言にデザインと言ってもいろいろなお仕事をされていらっしゃいますね。北村さんは、ポスターなどをつくられる時は、どうやって描き始めるのですか。北村講演会や企画のタイトルしか決まっていなくて、写真などもないことが多いので、タイトルの文字をどういう形にして、どういう大きさで入れるのかといったことから考えます。文字は既成のフォントはあまり使わず、つくることが多いです。文字の形から方向性を決めますね。桐山タイトルがとっかかりなんですね。一年生で、自分のマークと学校の中の自分で選んだ場所のマークをつくる題材をしましたが、看板やパケージなど実感を伴うようにしながら色の関係性や固有感情など、色彩理論の話をしました。文字の形についても、企業のロゴタイプなどを使って多くの人の読みやすさという観点で話をしました。理論的なことは意識されるのでしょうか。北村結果的に理論にも合致しているのかもしれませんが、つくっている間に意識することはあまりないですね。「コウノトリ保全フォーラム」のチラシでは、かつて日本中に生息していた鳥なので、昔話のような雰囲気にしたいと考えました。ぱっと見てコウノトリのことだと分かる方がいいと思い、タイトルよりイラストを大きくしたり、コウノトリのきれいな白がでるような紙を選んだりしましたね。影絵のようになっているところは、コウノトリが減って、保全されて、という時間の流れを示しています。見る人が見れば分かる、という要素も入れたくなるんですよ(笑)。色彩の勉強をした子どもたちの色の選び方はいかがでしたか。桐山色彩の話に触れながら、自分を表す色の組合せと、四季それぞれを表forme | 309 | 08