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概要

形 Forme 311号

題材について低学年のころよく遊んだブランコ。友だちと仲直りがしたくて勇気を出して「ごめんね」と言えた学校の帰り道。笑いの絶えないいつもの教室。普段何気なく過ごしている場所にも、一人ひとりの思いがつまっています。本題材は、普段何気なく過ごしている場所の中から思いがつまった場所を選び、その思いが伝わるように工夫して絵に表す題材です。「大切な場所」を探すことで自分の思いに気付いてほしい、そしてその思いが伝わるように画面構成や表し方を工夫することで造形的な思考力を高めてほしいと願い、題材を設定しました。指導の要諦1思いが伝わる視点にこだわる大切にしたい思いを伝えるためには、視点の取り方が重要になってきます。Aさんは五年間通り続けてきた学校の昇降口を選びました。導入の後、昇降口のどの場所に焦点を当てるといいのか考え始めました。下駄箱から廊下の階段を見上げたような視点にしようか、昇降口に入る瞬間に見える景色にしようか、はたまた二階に上がる階段から昇降口を見下ろすように表そうかなど、時間をかけてしゃがんだり見上げたりして思いの伝わる視点にこだわりました。Bさんは幼稚園のときよくどろ団子づくりをして遊んでいた場所を表すことにしました。表したいイメージに合うように、当時使っていたじょうろやバケツ、集めた土の配置を考え、その手前に、どろ団子を両手に乗せた自分の姿を表すことにしました。どのようにしたら両手で包んでいるように見えるか何度もためし、となりで活動する友だちに、折り紙をどろ団子の大きさに丸めて両手で軽く包むように持ってもらい、それを参考にかくことにしました。2イメージに合う表し方にこだわる描画材の使い方など、どのように表すかによっても、伝わり方が大きく変わってきます。Cさんはいつも通っている体操クラブの、玄関の扉を開けた時に見える器具の質感にこだわりました。「体操で使う器具は一つひとつ質感が違うので、かき分けることにこだわりました。跳び箱は木の感じが出るように、パスでかいた上から絵の具を塗って、バチックで表しました。平均台はいくつかのパーツに分けて考え、重なりのあるところを別の紙にかいて、切って貼ることにしました。マットは、毛羽立つ感じを出すために歯ブラシでこすったり点を打ったりして表しました。」と題材のふりわたしの大切な「いつもの場所」奈良女子大学附属小学校服部真也授業実践学びのフロンティア小学校5・6年向きじっとみつめてみるとforme | 311 | 20