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概要

形 Forme 311号

教師同士で指導力を高める自主サークル福島県下には、福島、いわき、会津、郡山各地区に造形サークルがある。これらは大学で同じ先生に学んだ美術教師らによって、県内の造形教育の充実をはかるべくそれぞれの赴任地で設立されたもの。会津造形サークル・みしらず会は、平成八年に発足し、今年で二十年を迎える。サークル名は会津の名産・みしらず柿が「身の程を知らずに」大きくなる様にあやかって、自分たちも大きくなるようにとの願いが込められている。普段の活動は月に一回の定例会。参加者が自分の実践を持ちよりお互いに協議をする。特に発足当時からのメンバーは、教科書題材をアレンジして新しい材料を試みたり、導入のしかたを変えてみたりと意欲的な活動をみせる。こうした新しい試みがお互いの刺激となる。サークルの参加者は小学校の先生を中心に十名前後で、ざっくばらんな雰囲気。派手さや目新しさよりも、気軽に参加してもらえることを大切にしている。四サークルが集う連合大会年に二回は、県内の四サークルが集まって連合大会が開催される。連合大会となると、四団体のメンバーに加え、他県からの参加もある。主催はもち回りで、みしらず会の担当では、実践紹介や講演会など、理論的に勉強する内容を意識するという。最近では、教科調査官の東良雅人氏を招き講演会を開いた。簡単に会うことのできない教科調査官の話を近い距離で聞けるとあって、大変好評を得たという。みしらず会から造形活動を盛り上げる今でも発足当時からのメンバーが中心で、年齢層は四、五十歳代が中心。会津で芽生えた造形活動の萌芽を絶やしてはならないと、若い人たちにつなげていくことを意識し始めている。ただ、新しい参加者と長年の参加者とでは、求める内容のレベルに差が出てしまい、ひとつの会としてまとめる難しさもあり世代交代はうまく進まない。それでも、細く長く、地道にサークル活動を続けていくことが何よりも大切だと考えている。参加者それぞれが、みしらず会で学んだことを赴任した先々に広めることで、造形活動のすそ野も広がっていければいい、と考えているのだ。みしらず会は、そのために参加者自らが勉強する場である。会津造形サークルみしらず会造形活動のすそ野を広げるのは参加者それぞれ細く長く活動を続けて学びの場となるforme | 311 | 34