ブックタイトル形 forme 312号
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形 forme 312号
之先ず見る儿目儿 第十五回パロディのことば パロディ。すでに誰かが作った作品を、表向きは大幅に利用しながら、ずれを持ち込んで別の意味を加える表現形式。要は「替え歌」のことだ、といえばわかりやすいでしょうか。 パロディが世間で話題にのぼるとき、いつも問題とされるのは主にふたつの観点です。すなわち、笑えるか否か、そして、許されるか否か。デジタルデータでコピーしやすい環境が日増しに広がる一方で、どんな小さなコピーでも見逃すまいとする監視社会も同時に進展している今日、特にパロディは危なっかしい方法として敬遠されることが多いようです。じっさい公表すれば権利侵害の対象となることもあります。けれども、木々の成長や私たちの心の中を法で縛れないように、法律と芸術はそれぞれ別個の論理、別個のことばを持っています(芸術なら法律を破っていいという意味ではありません)。ここはひとつ、芸術のことばに耳を傾けてみましょう。 一見すると他人の作品を馬鹿にするようであったり、他人の成果を盗むようであったりするパロディ。それはどういう仕組みによって、表現と言えるのか。 パロディという表現の大きな特徴は、標的(元ネタ)にする作品がいかに作られたのかを無視して、作品の外観を表面的にだけ扱おうとする点です。現代美術に対してよく、抽象画と壁紙の見分けがつかない、という言い方東京オリンピック[103 × 72.8cm]1962 東京国立近代美術館蔵 ※ 1990 年復刻版 亀倉雄策[1915 ~ 97] Photo:MOMAT / DNPartcom 写真:早崎治、フォトディレクター:村越襄 forme | 312 | 12