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概要

形 forme 312号

No.02FORMEANDVISION線と面 『みる』は漢字で『目』の下に人を表す『儿』と書いて『見』です。何かが単に瞳に映り込んでいる状態でなく、目を通じて意識的にまたは無意識に知覚し、何かしらの理解をすることを意味します。人は目覚め、目を開いている間、目には相当量の視覚情報が飛び込んできます。単純に目に映るもの全てを同等に受け入れるのではなく、必要とするまたは印象の強いものが脳の機能によって選別され、その対象がこう見える、こうだと思われると理解します。 ここではその『形の認知』に焦点を当て、図を用いて探ります。 今回の図は同じ長さで幅の違う「線」を並べたものです。上方のいくつかは、ほぼ無条件に 「線」として理解するかと思います。下へ向かい、幅が徐々に広がると「面」の認識が加わってきます。「線」よりも「面」の認識が強まったとき、対象への理解が長方形などの矩形へと変化します。 そして「面」として理解すると同時に、 その形を捉えるために周りをかたちづくる輪郭を意識します。「線」 が「面」に切り替わったとき、人は想像上の「線」を描きます。山本和久 グラフィック・デザイナー 多摩美術大学グラフィックデザイン科卒 「目でわかる、目で感じる」を最小限の表現で最大限伝えるグラフィックをコンセプトに活動。 www.donnygrafi ks.com