ブックタイトル形 forme 313号
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形 forme 313号
文:山添joseph 勇美術家/深沢アート研究所テーブルレイアウト編主体的・対話的で深い学びのためのイラスト:にしぼりみほこ点在型a 全員内向き型 b 全員外向き型 かぎカッコ型 サークル型先生先生先生子どもの活動を意識する{ { 簡単なテーブルレイアウト{ {ba変化はときどきが新鮮でいい{ { ときどきテーブルレイアウトが変わるだけで、「たのしい図工」「なにかドキドキできる図工」となるような仕掛けができます。 例えば、机を内側に向けて囲って、絵をかいてみる。子どもたちは自然と視野に入る全体を意識するため、輪の中の一人という単位になり、つくることが気楽になる子がいるはずです。また、逆に外向き(壁や窓向き)に机を向けてみると、今度は開放的(もしくは壁に向かう閉鎖的な開放)になり、個を重視できる場になります。 ただし、毎回工夫されたテーブルレイアウトでは新鮮さを欠くので、ときどき変える、ちょっと変えるくらいが、子どもにとっても安心で気持ちよい変化です。 授業でもっとも簡単な場の変化は、先生の位置や役割を変化させることです。 机をみんなで左向きに変えて、先生も左側へ移動して指導する。同様に後ろ向きに変えて、先生も後ろから指導するだけでも、いつもと違う雰囲気に変化します。 先生の説明がたびたび必要なときには、先生中心のテーブルレイアウト、先生も一緒につくっているときには、中心( 指導者) のない、子どもの動きが比較的自由な感じのテーブルレイアウト。また、テーブルを使わず床でつくる、廊下でつくる、教室にテーブルがないなど、様々な場が考えられます。 テーブルを合わせてグループをつくれば、材料や道具を共有したり、子どもがお互いのつくっている作品や制作過程を見たりすることができます。その反面、グループの中の人間関係に影響されて、同じグループの誰かを気にしたり、他のグループとの違いが気になったりするかもしれません。「気持ちよくつくる」「楽しくつくる」 という雰囲気づくりからはなれた活動になっていることもあるかもしれません。 どういったテーブルレイアウトにするかが大切なのではなく、テーブルレイアウトが子どもたちに対してどのような影響を与えているのか、子どもたちがどう活動しているのかを感じる意識が大切です。授業には、材料の準備、導入の用意、声かけの意識など、とても労力のかかる「場」が必要になりますが、室内のテーブル配置を変えることで、同じ題材であっても、広がりや可能性が生まれ、「つくることにおける、よい雰囲気や気持ちよい空気」のきっかけができます。forme No.313 ⑳