ブックタイトル形 forme 313号
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形 forme 313号
感じたんですね???気泡がはじける?アニメ??シ??ンにしたのは??人は誰でも死ぬというメタフ????です??人間の一生を泡に託すというコンセプトでした??この時??泡の動きを観察するために??コ??プに炭酸水を入れて撮影した写真が??後の?気泡?シリ??ズの原点となりました??初めはアニメ??シ??ン制作の補助手段だ??たものを??どのように作品シリ??ズへ昇華してい??たのでし??うか?? 初めの頃は??エントリ??モデルのデジタルカメラを使い??オ??トプログラムモ??ドで撮影していました??シ????タ??を押すだけで??たまにいい写真が撮れるのですが??技術的な限界を感じていました??そんな折にウエデ??ング写真を撮影する会社で働く機会を得ました??これ幸いと??カメラの使い方を一から勉強して??レンズの選び方や照明の設置??絞りとシ????タ??スピ??ドの関係などを覚えました??二〇〇九年頃のことです??撮影技術を身に付けたことで??本格的に?気泡?シリ??ズの撮影に取り掛かりました?? 最初は雑貨屋で買??た厚手のコ??プに炭酸水を入れて??コ??プ越しに風景を撮??ていたのですが??コ??プの形の影響から風景に歪みが生じてしまいました??そこで??単行本くらいの大きさで厚み三センチ程の水槽をつく??て??歪みの問題を解決しました??また??コ??プだとモチ??フの一つとしての存在感が出てしまうのですが??水槽ではそうはならず??風景とカメラの間にフ??ルタ??を一枚挟んだようになることも好都合でした??この感覚は??私と作品との間に”版”がある版画の表現とも似ていて??私の性に合??ているのでし??う?? 撮影には??水槽を持ち歩きます??右手にカメラ??左手に水槽を持??て少しずつずらしながら??撮影するのが私のスタイルです??絞り値は??野外だとF13 からF8 くらい??室内だとF5.6 からF4ほど??シ????タ??スピ??ドは屋外なら1/250 秒や1/400 秒??室内だと1/60 秒ほどが多いです??撮影は自然光です??室内でも照明は使わず??レフ版を立てて自然光を反射させています??撮影に向いている天候は曇りか雨降りの前後??季節は十一月から三月くらいに撮影をしています??日差しが強すぎるとギラついてしまい??泡がぷ??くりと撮れません??泡の中の像の映り込みが美しいかどうかが??作品のできばえを左右する大きなポイントです??水槽越しに捉えられた風景に加え??気泡にも風景がいくつも映り込んでいて??幻想的な世界観とな??ていますね?? 中国宋代の山水画は???高遠??深遠??平遠?という三つの遠近法を用いて??広い空間を一枚の画面に凝縮しました??また??子どもの頃から親しんできた生け花も??ミニマムな木と枝とで?絶景?をつくることを目指しています??同様に???気泡?シリ??ズでは??カメラのレンズ 私の視点によ??て切り取られた風景と??”気泡”というレンズによ??て捉えられたいくつもの風景が一つの画面に収められているのです?? ピントを遠方の風景に合わせるか??近景の泡に合わせるか??あるいはその中間に合わせるかによ??て??空間の見え方が大きく変わります??いい絵になるかどうかは??撮影デ??タをパソコンで開いてみないと分かりません??一度の撮影で百枚撮??て??作品になり得るものが三??四枚あれば???今日は大漁だな?というくらいですから?笑???このシリ??ズにはずいぶん長い期間取り組んでいるのですが??空間の見え方は毎回ま??たく違??ていて??飽きることがありません??”人”と??”人を取り巻く環境”との関係に興味があ??て始めたシリ??ズですが??その組合せが無限にあるように???気泡?シリ??ズの可能性も尽きることがないのだろうと思??ています??肖像[フォトグラム71.5×46cm]1991 年rice dotdrawing[米、ビニールシート、ボンド]1998 年1971 年 東京都生まれ1996 年 女子美術大学大学院修士課程美術研究科版画研究領域修了2007 年? 東京農業大学農学部非常勤講師斎藤ちさと/美術家文中に出てきた作品の一例【近年参加した主な展覧会】2010 年 “アーティスト・ファイル2010 ー現代の作家たち” 国立新美術館“松戸アートラインプロジェクト”2011 年 “松戸の美術100 年史” 松戸市立博物館2012-13 年 “虹の彼方 こことどこかをつなぐ、アーティストたちとの遊飛行” 府中市美術館2016年 “子育てと美術2016”( 企画:mhR/会場:藍画廊)B Ainterview仏教と素粒子論に共通する「世界は点や粒でできている」という考えにインスパイアされ、粒や点を通して世界を見るための試みとして写真・映像・インスタレーション・本などを制作している。個展やグループ展、アートプロジェクトなどで発表。また生け花や茶の湯にヒントを得たイベントも行っている。▼ インタビュー動画はごちらから? forme No.313