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概要

形 forme 317号

 二〇〇五年にブラジルのスラム街を訪れたオランダ人のアーティスト二名によって始められたアートプロジェクト。治安に問題を抱える地区の住居を、その地区で暮らす人々の手でカラフルに彩ることにより、その地区に明るいイメージと社会的な変化をもたらした。このプロジェクトは世界各地に広がっている。 高知県香美市にある冨士源刃物製作所で製造されている「くじらナイフ」。「子ども用に先が尖っていないナイフがほしい」という依頼から、デザイン画を描く際に頭を丸くして持ちやすくするうちに自然とくじらに似てきたという。ホエール・ウォッチングの里としてのアピールにも役立つ、機能美から生まれたナイフ。FAVELA PAINTINGくじらナイフなことって?のに図画工作で育った子どもの未来その4子どもたちは、図画工作でどんなことを学んだと感じているのでしょうか。そして大人たちは、学んだことをどのように生活や社会で生かしているのでしょうか。実際の子どもたちや活躍する人の言葉などから、図画工作の力でつくりだす未来を覗いてみましょう。 三十年近く皮膚の研究に携わってきた。皮膚が色を、超音波を受容する、など風変わりな研究が多い。当然、その実験に使う器具は市販品ではない。実に様々な実験器具を自 私は小学校時代を長野県の諏訪湖の畔で暮らしました。家の庭が湖に面していたので季節毎に、或いは時刻とともに変わる水の表情を日々見つめていました。冬になると湖は全面結氷し、周囲の山々も雪に覆われて美しい白一色の世界となりました。 そのような自然に囲まれた日常の中で、美術の時間も自然の風景ばかりを描いていたように記憶しています。後に設計を始めてから、若いうちは自分の考える建築空間が少年時代に描いていた諏訪の風景と関係があるとは夢にも思っていませんでした。 しかし次第に齢を重ねるにつれ、自分のイメージする建築空間は当時の原風景と深く関係しているように思われてきました。鏡のように静かな水面、木立ちの間から差し込む木もれ陽、少年時代に描いたそんな風景が今、三次元の建築空間として蘇っているのです。伊東豊雄/建築家。主な作品に、「せんだいメディアテーク」、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」、「台中国家歌劇院」(台湾)など。日本建築学会賞、ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞、プリツカー建築賞など受賞。少年時代に描いた風景がいま建築空間に蘇る形や色が、人の行動を変える子どもたちへの思いが、新しい形をつくりだす夕焼けを見て、美しいなって思えるようになった。表現は自由!だからこそ、こだわりだすと終わらない!!!家庭科の調理実習の時に、おいしそうって言ってくれて、盛り付けにこだわったから造形の力だなって思いました。そう思うと、造形はいろんな社会につながってくると思います。伊東 豊雄さんいとうとよおforme No.317 ⑩