ブックタイトル形 forme 317号
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形 forme 317号
今回のそぞろみ部は東北地方初上陸。山形県山形市にある東北芸術工科大学の学生5 名と一緒に活動を行った。テーマ「窓」は、まち歩き好きの部員からの発案。普段はまじまじと観察することのない窓にアンテナを張りながら家々を眺めてみると、いつもの風景がまた違って見えてくる。高台にある大学から駅まで約5km の道のりをそぞろ歩いた。 秋晴れの下??青く輝く窓が澄んだ空を切り取??ていた??たくさんの窓が並ぶビルはあたかも大きなスクリ??ンのように雲を反射している??よくよく見ると窓のふりをしたドアも発見??サングラスのように光を遮る加工がされた窓は??夕暮れ時のようにオレンジ色に輝いていた??透明の窓も??時間帯や角度によ??て様々な色を映し込む??これとは逆に??外から注ぎ込む光に色を着けるステンドグラスにも出会??た??一方で??開口部の形状によ??て景色をいろいろな形にトリミングしてくれるのも魅力の一つ??おなじみの四角形の窓だけではなく??屋根の形に沿??た三角窓や白い壁面にうがたれた丸窓???月山公園?にあるお社には三日月形の覗き窓もあ??た?? そもそも??窓とは建物の内側から外側を眺めるための構造物であり??それ自体をまじまじと観察することはほとんどない??今回??改めて窓に注目して町を歩いてみて??時代による形の移り変わりがあることに気が付いた??歴史を感じさせる蔵の窓は重厚感のある扉が特徴的??格子の入??た開口部は昔ながらの防犯システム? 今では珍しくな??た木枠の窓もちらほら??少し古めのアパ??トでは三角形にせり出した出窓をよく見かける??その進化系として??建物の角の壁面がガラス張りにな??ている角窓も??同じようなスタイルの窓を持つ建物が並んでいる場所もあり??時代による流行も感じさせる??ちなみに??最近の建物に多く見られたのは縦長の細い窓だ??た?? 窓際にはその時々の季節感が表れる??活動を行??た十一月は干し柿シ??ズンの真??只中??それぞれの家庭の方法で吊るされたオレンジ色の点描が窓辺を彩??ていた??もう少し季節が進むとイルミネ??シ??ンで飾られるのかもしれない??内と外の接点でもある窓には住民の個性がにじみ出る??道中でも??大小様々なトロフ????が並べられていたり??四体の小さな人形がこちらを向いていたり??何かしらのメ??セ??ジを発信している窓が見つか??た??店舗の場合は文字通りのウ??ンドウシ????ピングだ??交差点に建つ家具屋の大きな窓はモデルル??ムの様相??食欲をそそるパン屋のガラス窓??飲食店の窓に並べられたボトル??物語の断片から窓の奥に広がる世界を想像してみる??窓際のギ??ラリ??窓が切り取る景色窓の今昔ものがたりそぞろみポイント三そぞろみポイント二そぞろみポイント 一市川寛也いちかわひろや東北芸術工科大学芸術学部専任講師。妖怪研究家。各地で「妖怪採集」と称する街歩きを実践中。主な著書に『怪異を歩く』(共著、青弓社、2016 年)。部長/ テキスト担当第9 回窓そろみ部ぞそぞろみ部とは・・・いろいろな場所をそぞろ歩きながら身の回りにあるものを造形的な見方・考え方で捉え直す、鑑賞と表現の部活動。部長は「文章」で、副部長は「スケッチ」で、気になるものや面白いなと感じたものを集めていきます。小中 高 forme No.317 ?