ブックタイトル形 forme 317号
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形 forme 317号
閑かさや岩にしみ入る蝉の声 青々と伸びた木の葉越しに漏れる日差し??辺りに充満する蝉の声は岩に浸透するかのごとく延々と響いている??その中ではたと気付く??対称的に深閑とした自らの心の内―この句を読んで私たちの脳裏に浮かぶのはそのような景色でし??う?? 極めて限定的な形式ゆえに??それが表す意味内容のみならず??いや意味内容よりも強く??語の選択や配置の妙へと自ずと意識を向けさせるのが俳句ですが??作家の井上ひさしは??この句に対して興味深い解釈を披露しています??井上が着目するのは音のリズム??しずかさ??しみいる??せみ??韻律をつくりだしている主要な音のうち三つまでもがサ行なのです???芭蕉という人がことばの大変な仕掛け人だ??たことに気づくのだ??サ行の音??すなわち??s??や?????が??静かさを現わす音だからである???私家版 日本語文法?一九八四年???なるほど??たしかに! だからこそ??蝉との取り合わせが意外な?岩?の語を際立たせることにもつなが??ているのでし??う??これをすなわちイワ感と呼ぶ……という駄洒落はさておいて??芭蕉は音響効果を巧みに用いて??心を静かに集中させるホワイトノイズとしての?蝉しぐれ?を詠んだわけです?? サ行で連想するのが??関西で聞く?シ????とした?なる形容です??面白いのは??これを英訳しようとするとことごとく??s??が現れること??simple・stylish・slender・smart・sharp・sophisticated……??人類に教科書でもよく見かける??おなじみの美術作品??見た気??知??た気にな??ていても??いつもと少し視点を変えてみると……??どうでし??う?まず目の前に見えている要素を丁寧に拾い??そこから読み解いていくための見方の実験を紹介しています??第二十回感触の素を探??てみる・ ・・・H30年(2018年)度版 高等学校芸術科美術Ⅱ教科書「高校生の美術2」 p.28掲載 小 中 高 forme No.317 ?